「お客様お一人ずつ」の接客スタイルの美容室です。
西荻窪にある築50年ほどの木造一軒家を改装しました。
最初に現場を訪れた時、天井裏をのぞいて見ると、味わいのある「2階の床裏」が見えました。
この建物は昔ながらの店舗兼住居であり、その設計や様式が特筆すべきものではありませんでしたが
材木屋の刻印が押された梁やその材の荒々しさなどが、現代住宅にはない古の風情を適度に伝えていました。
壁には湿度に強いエイジング塗装を施し、床には凹凸のあるタイルを貼りました。
一方向から差し込む光が、「2階の床裏」と共にそれらを際立てます。
外壁は黒塗装を施し、暖簾には極細の線を重ねて描き、黒髪の女性の前髪が靡く様子をファサード全体で表現しました。
他にも高価ではないけれども本物の素材を随所に使って、美容師とお客様との「一対一の時間」に相応しい深い落ち着きを創りました。