本計画は、かつて事務所だった空間を、心の安らぎを提供するメンタルクリニックへと再構築したプロジェクトです。効率性を重視していた空間を、“やわらかさ”と“おだやかさ”を基調とした設計へと転換し、安心して過ごせる場を目指しました。

間接照明を多用し、滲むような柔らかな光で空間全体を包み、心を静かに整える環境を実現。診察室には自然光を取り入れ、光や景色が溶け込む設計とすることで、都市の中でも時間の移ろいを感じられる癒しの空間をつくり出しています。

素材やディテールにもこだわり、過度な装飾を避けた静けさのある設えにより、治療のためだけでなく、訪れる人の心がそっと落ち着く“居場所”としてのクリニックをかたちにしました。