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FATHOM
広島県呉市中通4-2-14西田ビル2F
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Little Witch Lab

リトルウィッチラボ

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店舗概要

  • 広島県広島県広島市中区本川町3-3-3小笠ビル201
  • 本川町駅
  • ショールーム(物販)
  • 7 坪
  • リフォーム改装
  • 2022年工事完了

担当者

中本尋之

この事例のコンセプト

花 / 葉 / 実。植物が大地の恩恵や陽の光を受け、育み生まれる造形物。
その美しさは生物である以上いずれは枯れるという死に向かう中での限られた間、美しさと輝きを解き放つ。Little Witch Labはその一瞬の美しさを独自の手法で封じ込め、人が身につける宝石のように時が経ても変わらない恒久的な美しさへと昇華させるアクセサリー作家 / 藤本睦のアトリエと作品を展示するギャラリーとなる。
彼女が選んだ場所は広島市中区の十日市。建物は市内を流れ広島湾につながる旧太田川と、長い歴史をもつ空鞘稲生神社が接した場所となり。街にありながら凛とした賑わいと静寂さを持ち、緩やかな時間が流れる素晴らしい立地だと感じた。

アトリエではコンマミリ単位の繊細な作業が必要となるので、ギャラリーとは併設しているが二つの空間はきちんと隔離したいとの要望を受けた。

そこで作品を見て購入するという通常のギャラリーが持つ機能の中に体験という新たな要素を挿入し、Little Witchというブランドが持つ作家の思いや意図を感じながら自分のためだけの作品が作られていくラボのような体験型のギャラリーづくりを提案した。

自然素材が作品へと生まれ変わる工程を四つの言葉に分類し、そのテーマに基づきアートのような建築装置をつくりそれらを回遊し体験していくことで最後に自分のためだけの作品が購入できる空間構成となる。

四つのテーマは

1.素材を育てる[FARM ]

2.素材をアクリルで封じ込める[CONFINE]

3.自分の身体に合う花/葉/実と金属(アクセサリーパーツ)を選ぶ[PARTS]

4.二つがアトリエ内で接合され作品となる[FIXED]

作品の強度に負けない建築装置としての花器をそれぞれのテーマに基づき作りながらその全体的な空間を作るという二重構造でのデザインとなり10坪弱の狭い空間のであったが、結果的にはかなりの時間を要する案件となった。

[FARM]
旧太田川を望む既存の大きな開口に合わせて花壇を屋内に設けることで川の土手の緑の風景がギャラリー内に滲み出たような演出を考えた。根腐れさせないため水やりの際に花壇から出る捨て水はガラス製のロートと器により受けられ、普段は流れて消える何気ないものを空間内留めることで、珈琲のような褐色の液体がもつ大地の生命力の豊さを伝えられたらと考えた。
花壇は季節や旬により定期的に植え替えが行われる。
ここで育てられた素材がこれからどのような作品へとなるのか未来の可能性を抱かせるものとなった。

[CONFINE]
育った花 / 葉 / 実は摘み取られアクリルによって封じ込めることで生命の持つ美しさと、宝石のような艶やかさを同時に纏うこととなる。
まるで時が止まったかのような美しさを伝えるために、空間の中央に花々が空間内に浮遊したかのように見せる演出を考えた。
植物を大地、茎と花という三つの要素に分け
平面的な大地と鉛直的な茎の構造を組み合わせ、まるで机を逆さにして置いたような形状の花器を考案した。雨が降ったあとの大地にできた水たまりの形からヒントを得た有機的な形を土台とし、そこから丸い様々な大きさの茎をイメージしたパイプが聳え立つ。花 / 葉 / 実と花器を繋げるものは花自身に纏われたアクリルと同素材で作られた3ミリの丸棒の断面にオーナー自らが1ミリの穴を垂直に開けるという現場の職人も驚く離業によって二つを限りなく透明につなぎ合わせた。自然が生み出した花々の色彩や造形力、それを人の手で永遠に封じ込めることによって生まれる輝き。アクセサリーの身に着けるという機能を持つ前の一つ一つの作品の美しさに触れ、感動してもらえたらと思う。

[PARTS]
季節の名前を持つ四つの鉄の箱が並ぶ空鞘稲生神社側の壁面。
既存開口を塞いだパネルはランダムに丸い穴を空けて光が差し込むことで少しでも神社の世界観が伝わるように考えた。
箱の蓋を開けると中には花が種類ごとに細かく分類され、それに対応した品種名や花言葉を記したラベルを貼り付けた。
同じ種類の花でも自然がつくる造形は形や色も一つ一つを比べてみたら千差万別。ここでは自分の肌の色や骨格にあった花 / 葉 / 実を選び、ピアスやネックレスなどアクセサリーパーツをも自ら選ぶことで世界に一つだけのその人の為に生まれた一点もののアクセサリーを作ることができる。

[FIXED]
アトリエとのつながりをあえて排除するために二つの空間を隔てる壁に小さなアーチでできた開口を作った。選んだ花 / 葉 / 実と金具はアトリエ内にここから一度持ち込まれ接合される。石でできた壁面の灯具が光ると扉が再び開かれ、その人が身につけることで初めて作品として完成したものとなる。

作品が完成するのにかかる時間は20分弱。待つ間に隣接した川や神社に実際に足を運び、穏やかな時間を過ごしながら作品を迎える準備をしてもらえたらと思う。

アトリエとギャラリーという連続する二つの機能を一つの空間に配しながらもお互いをあえて干渉させない空間構成。訪れた人が自らが動き、選びそして感じることでそのブランドの価値が自然と高まっていくアトラクションのような装置を空間内に作ることでコロナ禍の中で生まれた受動的な新しい形のギャラリーとなったのではないかと思う。

この事例を手掛けた会社の概要

社名
FATHOM
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所在地 広島県呉市中通4-2-14西田ビル2F
外部リンク
代表者 中本 尋之 担当者 板谷尚樹
業種・業態 デザイン・設計施工
坪単価
40万円-100万円
建築設計 可能 スタッフ数 2名

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