一部を差し込むことで新旧のバランスを保つ

福岡市南区玉川町にて、古屋をリノベーションしたベーカリーショップ。
日赤通りから1本西側の道路に位置し、住宅に囲まれた周辺環境です。

既存の木造2階建ては、瓦葺き木の外壁が印象深い風情を感じる建物だと感じた。
周辺の建物同様その計画建物には歴史があり、街のシンボリックな存在であると感じました。
この民家を店舗に変える上で、建物全体のイメージを一新しお店としてのファサードを単に表にアピールするのではなく、周辺環境との調和を重要視し街にフィットさせ、既存の建物と新規部分とが成立するよう外観デザインを整え、尚且つパン屋というお店の存在が明らかとなるよう考えた。

店舗の部分である南側の約5間の壁一面のみを既存のテイストと喧嘩しないよう白い世界で差し替えました。
横に長い開口は、外部からは店内への興味を惹きつけ、店内からは自然光を適度に取り込みつつお客様と商品がしっかり向き合える様、外部への視界を制限しています。

「毎日美味しいパンをお客様へ届けたい」と、素材選びから作り方全てにこだわり妥協を許さないオーナー様の熱い想いと人柄が空間ににじみ出た、「Kaitiの世界観」がここに表現されました。