●プロジェクトの概要●
築30年を超える鉄筋コンクリート造の自然観光・学習拠点施設です。宮崎県北部諸塚村の中心施設で、日本のバブル時代に建設された複雑な形状の施設です。30年の運用にて幾度の改修・増築を行われたことにより、閉塞感が高まった施設を、明るく開放的な施設に改修しました。

過疎化が進む地方施設として、建築計画の提案できることを考えた計画です。私たちは日常的に村民が立ち寄り、観光客や来館する児童たちの賑わいを一体的に感じることができる、「元気を共有する」施設を提案計画しました。しいたけの館２１は近隣市村の児童の遊び場を提供しています。児童用スペースは施設の中央に配置し、窓際の明るい空間にしました。柱を囲むおもちゃスペースと壁に接する絵本が収納される階段状のベンチを計画しました​。この施設では村内の少ない児童たちが村全体の活力の源となると共に、大人たちが大事に見守りやすいように開放的な空間としました。

●プロジェクトの経緯●
ご相談当初は増築をご希望されていました。しかし建物の複雑な形状や崖に面している敷地条件により条件が厳しいこともあり、このプロジェクトに必要なことは本当に増築なのかを議論することができました。最終的に「減築」することで、当初隠れていた建物の魅力を引き出し、明るく開放的な施設に再生することになりました。

●プロジェクトを終えて●
内装計画は建物本体と密着していて、本体の事情を考えないと正しくデザインができないと感じました。この計画のように丁寧に検討された内装計画は、建物の魅力を引き出すと共に、これまで感じることができなかった価値を空間に宿すことができると思います。

地方に眠る魅力的な施設を発見し、再生することができた計画です。弊社のご依頼内容を深堀し、ご依頼者様について真剣に考える姿勢が現れたプロジェクトだと思います。