東京・恵比寿にある会員制の個室レストラン。

オーナーの新しい試みから生まれたこのレストランは、料理やサービスの一つひとつが、その人に合わせて丁寧に仕立てられます。
オーナーの人柄を映すように、時に柔らかく、時に凛とした表情を見せるこのレストランの姿を引き立てるため、空間はあくまで静かでニュートラルな存在を目指しました。

レストランを支える“器”として機能するこの空間は、
決して主張することなく、一歩引いた立場でそっと調和しています。
その中に散りばめたほんの少しの違和感が、訪れる人の感覚をそっと揺さぶり、
食事体験にさりげないアクセントを与えてくれるはずです。

空間に置かれた石たちは、千葉に住まわれている老夫婦から譲り受けたもの。
千葉の庭から恵比寿のレストランへと場所も機能も変わりながら、
そこにしっくりと馴染むその佇まいは、まるで空間が石に居場所を与えられているかのようです。

空間と人・空間と料理が互いに影響しあいながら、その時々の表情を作り出す——
そんなレストランになりました。