マッチングサービス利用者の声　詳細

飲食業界での経験は長く、「いつかは開業を」という気持ちはありましたが、資金面などを考えれば夢の話でした。
転機となったのは、2年前に母が要介護状態となり、在宅介護をすべく勤めていた飲食店を退職したこと。
その後、しばらくは時間を自由に使うためにアルバイトで働いていたのですが、いろいろと苦労が多く、蓄えも使い果たしてしまい、精根尽き果ててしまったんです。

そんな私を見かねて、今回一緒に開業した知人が出資の話を持ち出してくれました。
彼はもともと飲み友達だったのですが、会うたびに具体的な話を進めていき、実際に動き出したのが2013年の10月。
ダラダラやっても仕方ないので、「もし年内いっぱいで物件が決まらなければ、この話はなかったことにしよう」と、期限を決めてスタートしました。

物件探しの時には姉妹サイト「飲食店.COM」を使っていましたが、シンクロ・フードさんは他にも開業回りのさまざまなサービスを運営していらっしゃることを知り、まずはマッチングサービスに登録しました。
すると、5社からエントリーをいただき、うち実際に内見していただいたのが3社です。

この物件はマンションなので、まずは臭いや騒音への対応が大きな課題でした。
以前のテナントは重飲食ではなかったため、ダクトをどこに出すかがネックとなっていた中、1社は予算内では難しいということで辞退されました。
結局、今回依頼したインティさん含む2社にパースまで出していただき、最終的な比較検討を行いました。

インティさんは、見積もりやパースを提出いただくまでにも、こまめに連絡してくださったんです。
一方、もう一社はまったく連絡がありませんでしたので、その時点で両社に対する信頼度はだいぶ違いました。

インティさんにお願いして、結果的には当初の予算から大きく出てしまったのですが、店づくりの初めから終わりまで非常に親身になってご提案くださったので、不満は一切ありません。
とにかく、「一緒にいいお店をつくろう」という気持ちが伝わってきましたよ。

極力費用を抑えるために、使えるものはそのまま使うように工夫していただきました。たとえば、壁や床、ベンチシートは変えていませんし、カウンターも上から木を張ったのみです。
店舗の奥行きが少しあったため、そのスペースを利用して簡単な事務スペースを作っていただきました。

もともとエアコンが付いており、最初に動作確認をして「使える」と判断したものの、実は送風状態にしかならないということが途中で判明しました。
室外機が壊れており、あらためて新しいものを入れ直さなければならなくなり、想定外の出費となりました。

もう一つは、厨房設備が最後まで決まらなかったことです。というのも、この物件のガスの容量が小さくて、追加で引き込むのに200-300万くらいかかるということで、さすがにそれは無理だなと。
急遽、フライヤーとグリラーはオール電気にしたのですが、いくら探してもいい中古機器が見つからなかったんです。新品を入れれば予算が大きく出てしまいますし、レンタル品にも目を向けてみたのですが、難しかったですね。

シンクロ・フードさんの「厨房・備品を探そう」というサービスも使っていましたが、やはりネックは電気で、見つかりませんでした。結果的には新品で入れて、冷蔵庫はメーカー直販のものをネットで探しました。

当店のウリは、何といっても魚と日本酒です。
まず、魚に関しては築地を通しておらず、全国の漁師さんから直接仕入れています。
そのため、とにかく鮮度が抜群。
「珍しいものを入れたい」という想いもありますので、仕入先の地域は毎日異なります。

日本酒は、北海道のお酒をメインに入れています。
私は昔から北海道が大好きで、よく遊びに行っているのですが、3年前に道産米を使って作られたお酒に初めて接し、それがおいしくて。
「北海道で日本酒？」と不思議に思われるかもしれませんが、向こうのお酒はあっさりとした口当たりのものが多いので、刺し身との相性が絶妙。
また、当店は刺し身を塩で味わっていただくのですが、塩は日本酒とも非常に合うんです。

最近は「酒バー」のような店も流行っていますが、当店のコンセプトは、あくまで「料理とお酒のコラボレーション」。
グランドメニューも日本酒を邪魔しない味付けにこだわっていますし、「いい酒を飲めばいいツマミが食べたくなる、いいツマミがあればいい酒を飲みたくなる。」そんな気持ちになれる店でありたいと思っています。

これまで、20年以上いろんな飲食店で働き、いろんなお店で食べ歩いてきましたが、「売上至上主義」の店がいかに多いかを痛感していました。
でも、私が店を開くなら、そこは絶対に排除したかった。
本当に自分がいいと思うものを、お客様に提供したい。
そのうえでお客様に気に入ってもらって、笑顔で帰っていただけたら、それが何よりの幸せです。
店を気に入ってくれれば客単価は上がると思っています。
実際、まだオープン2週間少々ですが、事業計画以上の客単価を出せています。

月に一度は3連休をとらせていただき、「研究日」として地方の酒蔵を巡ったり、食材を探しに行ったりと、自分の知識を広げています。
もともと日本が大好きで、地方食を広めたいという想いもあるんです。
郷土色をヒントに、自分なりのやり方で、この店が日本の食材の素晴らしさや魅力を伝えていける拠点になれたらいいなと思っています。

今回、シンクロ・フードさんには物件探しやデザイン会社探しのほか、厨房機器・備品探し、仕入れ業者探し、箸袋の名入れまで幅広いサービスを利用させていただき、とても助かりました。

要望としては、仕入れ業者さんの数がさらに増えるといいと思います。
今回、サービス上だけで探しきれませんでしたので。
デザイン会社さんの数に関しては十分あると思います。最初にエントリーいただいた会社の数も予想以上でしたので驚きました。