株式会社 STUDIO MOUN 一級建築士事務所
福岡県福岡市中央区今川1-16-16
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Whisky Bank Fukuoka
ウイスキーバンク フクオカ
店舗概要
- 住 福岡県福岡市中央区今泉1丁目21−6
- 駅 天神駅
- 業 ショールーム(物販)
- 面 21.8 坪
- 特 スケルトン
- 年 2024年工事完了
担当者
-
デザイン担当
STUDIOMOUN一級建築士事務所
この事例のコンセプト
福岡市中央区・今泉に位置するウイスキー専門店である。
このPJでは、ひとつの明確な意図から始まった。
それは、「美しさ」を超えて、身体的・感情的に感じ取れる空気を創出し、日常的な都市景観に「敬意」「静けさ」「時間の深み」をもたらすことである。
既存環境は、間口が狭く奥行き14メートルの日本の「長屋」のような形状をしていた。
その奥行きを活かし、かつて修道院によって継承されたウイスキー製造の伝統から、修道院の回廊を参照し、空間全体にわたるヴォールト空間を導入。
これは単なる形状ではなく、訪れる人の感覚を変える「体験の敷居」として機能し、小売空間を一方向的な取引の場ではなく、層を重ねたウイスキーとの出会いの場として再定義している。
空間は、ウイスキーの製造に欠かせない自然要素によって素材と形を表現している。
土(Earth): ヴォールト天井は、山の土採取することから始まり手作業で仕上げている。表面には職人の手仕事が痕跡となり、ウイスキーの熟成庫に漂う静かな緊張感を想起させる。
水(Water): ディスプレイ棚は、手漉き和紙を巻き込み、水の流れとして仕上げ、柔らかな和紙が、ボトルの硬質さと対比を成し、視覚的・触覚的な二面性を生み出している。
木(Wood): テイスティングカウンターとレジカウンターには、大分の樹齢300年のセンの無垢を使用し、端部には彫刻的にブビンガを削り出し組み合わせている。堅牢かつ表情豊かな素材が、空間に永続性と重厚さを与えている。
火(Fire): ウィンドウ沿いには、吹きガラスのドームを照明付きのディスプレイとして製作。その不均一な形状は光を歪め、ゆらめく反射を生み出し、火やスピリッツの揮発性を暗示している。
これらの要素は装飾や説明のためではなく、光・素材・記憶を通じて来訪者の感覚を呼び起こす、重層的で触感的な体験を提供するためのものである。
動線も直感的に設計した。ヴォールト天井が、エントランスからテイスティング、購入へと人の流れを導き、明確な仕切りはなく、自然なリズムが空間に流れている。ディスプレイは都市の視点の変化に呼応して設計しており、歩道から見るとボトルは逆光に浮かぶシルエットとして現れ、近づくにつれて色やディテールの豊かさが現れる。このような「ゆっくりとした顕れ」は、好奇心と関わりを呼び起こし、製品と通行人の間に静かで意図的なつながりをつくり出す。
素材は、主に九州から調達し、地元の信頼のおける職人たちと協働し、伝統技術を現代的に再解釈することで、空間体験を豊かにしつつ、文化的継承を支え、素材輸送も最小限に抑えている。
この空間は、単なる小売店ではなく、物語・技・都市生活が交差する「感覚の回廊」として静けさと発見のひとときを提供する場である。
このPJでは、ひとつの明確な意図から始まった。
それは、「美しさ」を超えて、身体的・感情的に感じ取れる空気を創出し、日常的な都市景観に「敬意」「静けさ」「時間の深み」をもたらすことである。
既存環境は、間口が狭く奥行き14メートルの日本の「長屋」のような形状をしていた。
その奥行きを活かし、かつて修道院によって継承されたウイスキー製造の伝統から、修道院の回廊を参照し、空間全体にわたるヴォールト空間を導入。
これは単なる形状ではなく、訪れる人の感覚を変える「体験の敷居」として機能し、小売空間を一方向的な取引の場ではなく、層を重ねたウイスキーとの出会いの場として再定義している。
空間は、ウイスキーの製造に欠かせない自然要素によって素材と形を表現している。
土(Earth): ヴォールト天井は、山の土採取することから始まり手作業で仕上げている。表面には職人の手仕事が痕跡となり、ウイスキーの熟成庫に漂う静かな緊張感を想起させる。
水(Water): ディスプレイ棚は、手漉き和紙を巻き込み、水の流れとして仕上げ、柔らかな和紙が、ボトルの硬質さと対比を成し、視覚的・触覚的な二面性を生み出している。
木(Wood): テイスティングカウンターとレジカウンターには、大分の樹齢300年のセンの無垢を使用し、端部には彫刻的にブビンガを削り出し組み合わせている。堅牢かつ表情豊かな素材が、空間に永続性と重厚さを与えている。
火(Fire): ウィンドウ沿いには、吹きガラスのドームを照明付きのディスプレイとして製作。その不均一な形状は光を歪め、ゆらめく反射を生み出し、火やスピリッツの揮発性を暗示している。
これらの要素は装飾や説明のためではなく、光・素材・記憶を通じて来訪者の感覚を呼び起こす、重層的で触感的な体験を提供するためのものである。
動線も直感的に設計した。ヴォールト天井が、エントランスからテイスティング、購入へと人の流れを導き、明確な仕切りはなく、自然なリズムが空間に流れている。ディスプレイは都市の視点の変化に呼応して設計しており、歩道から見るとボトルは逆光に浮かぶシルエットとして現れ、近づくにつれて色やディテールの豊かさが現れる。このような「ゆっくりとした顕れ」は、好奇心と関わりを呼び起こし、製品と通行人の間に静かで意図的なつながりをつくり出す。
素材は、主に九州から調達し、地元の信頼のおける職人たちと協働し、伝統技術を現代的に再解釈することで、空間体験を豊かにしつつ、文化的継承を支え、素材輸送も最小限に抑えている。
この空間は、単なる小売店ではなく、物語・技・都市生活が交差する「感覚の回廊」として静けさと発見のひとときを提供する場である。
この事例を手掛けた会社の概要
| 社名 | |||
|---|---|---|---|
| 所在地 | 福岡県福岡市中央区今川1-16-16 | ||
| 外部リンク | |||
| 代表者 | 古城龍児 小畑俊洋 | 担当者 | 古城龍児 |
| 業種・業態 | 空間デザイン・設計・ブランディング | ||
| 坪単価 | |||
| 建築設計 | 可能 | スタッフ数 | 4人 |
| 資格・許認可 |
German Design Award・GOLD(最優秀賞) iF DESIGN AWARD 2024 日本空間デザイン賞 short list 福岡県木造・木質化建築賞 奨励賞 JID AWARD Interior Product 部門入賞 ウッドデザイン賞 JID AWARD NEXT AGE 部門賞 一級建築士事務所 福岡県知事登録 第1-61805号 |
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