飲食店の経営者なら注意したい濡れた傘の対応【盗難された責任は誰?】
2023年8月8日
客足の鈍る原因の1つでもある雨は、飲食店にとって天敵とも言える存在です。特に夏場はゲリラ豪雨なども増えるため、より一層の注意が必要となります。そんな雨天への対策として、この時期に改めて考えたいのが傘の持ち込みについてです。
店内が濡れるのは避けたいものの、店頭の傘立てに置くと盗難の心配もあります。そこで今回は「濡れた傘の対応と雨天時にできる工夫」をテーマとして取り上げることにしました。
お客様の傘が盗難にあった場合の対応や、トラブルの起こりにくい傘の取り扱い方、雨天時ならではの工夫、雨に強い床材などについて解説しますので、ぜひお読みください。
傘の盗難は誰の責任?飲食店側の適切な対応とは
梅雨からゲリラ豪雨の多い夏、台風被害の増える秋にかけて、飲食店ではお客様の傘の盗難被害が増加する傾向にあります。店舗の傘立てに置かれたお客様の傘が盗まれたり壊れたりした場合、「責任はそこに傘を置いたお客様ご自身にある」と考えがちですが、実は商法第594条をよく読むと、「お客様の傘が店舗で盗難にあった場合、責任は店側にある」つまり「店側に賠償責任がある」と捉えることのできる文章が記載されているのです。
実際に傘の盗難で店側の責任を追求するお客様は多くありませんが、このことを念頭に置いておくことは重要です。その上で、お客様の傘のより良い取り扱い方を模索することが大切だと言えるでしょう。
もちろん、気をつけていてもお客様の傘が盗難にあってしまう可能性はゼロではありません。その際は、不安になっているお客様の気持ちに寄り添った対応が欠かせません。傘の特徴と見つかった際のご連絡先を伺うと共に、予備の傘を準備しておき、代わりに差し上げるなどのサービスがおすすめです。困ったとき、優しく丁寧に接してくれたお店はお客様の記憶に残るものです。アクシデントにしっかり対応することで、お客様のファン化も狙えます。
トラブルを防ぐ傘の管理方法とは?
店舗の傘立てでの盗難被害を未然に防ぐためには、傘の管理方法を工夫する必要があります。特にビニール傘などに顕著ですが、傘は似ているデザインが多く、また無記名の場合が多いため、1度傘立てに入れてしまうと、盗まれなかったとしてもお客様同士で取り違えるトラブルなどが多発します。よって、「そもそも傘を傘立てに入れない」工夫が大切だと言えるでしょう。
基本的には傘立てを撤去し、お客様にはご自分のお席まで傘を持って行ってもらうようにしましょう。濡れた傘を客席に持ち込む方法としてはビニールの使い捨て傘袋を活用する方法が一般的です。しかし、ビニールの傘袋は出入口に設置した傘袋用のゴミ箱があふれるなど、見栄えに問題が発生することが多々あります。
そのため、可能であれば、傘の滴取り器や滴おとし、水切りなどを活用するのもおすすめの方法です。使い捨てではない、しっかりとした取っ手付きの傘袋を活用するのも良いでしょう。ビニールの使い捨て傘袋に比べるとやや値は張りますが、エコの観点から見ても優れたアイテムです。
集客力の下がる雨の日こそチャンス!雨天時に有効な心遣い
雨の日は客足が落ちやすいため、頭を痛めている店舗オーナーの方も多いことでしょう。しかし、そんな時こそ他店との差別化をはかるためのチャンスです。お客様に「雨の日でも積極的に来店したい」と思ってもらえる工夫をしましょう。
おすすめなのは「雨の日限定サービス」の提供です。たとえば、「雨の日は〇パーセントオフ」などの割引や「雨の日はドリンク1杯無料」など、お得感のあるサービスを実施している店舗があります。「雨の日にしか提供されない限定メニュー」なども特別感が演出できるでしょう。SNSなどで写真やサービス内容を拡散してもらえれば、「雨の日だからこそ、この店に行こう」という気持ちをお客様に持ってもらいやすくなります。
水に強い!耐水性が高くおしゃれな床材
「近々店舗の改装を考えている」という場合は、床材の工夫も視野に入れてみてはいかがでしょうか? 雨天時でなくとも、飲食店では「飲み物を床にこぼす」などのトラブルが発生しがちです。そのため、可能であれば「耐水性が高くおしゃれな床材」を積極的に活用したいところ。磁器タイルならしっかり水分を弾いてくれるだけでなく、雰囲気にも品があるため、ぐっと店舗の空気が引き締まります。
傘の対応や特別なサービス、新しい床材について考えることで、ピンチに陥りやすい雨の日をお客様獲得の新しいチャンスに変えていけると良いですね。
ここで挙げた対策は、あくまで一般的な一例です。個別の事情や物件状況に合わせた提案をもらいたい場合は、ぜひプロの内装会社・デザイン設計事務所にご相談ください!
店舗デザイン.COMでは、様々なタイプの会社を作品事例とともに紹介しています。色々な検索方法で自分にあったデザイン会社をデザイン設計会社と設計施工会社のタイプ別に探すこともできます。また、どのように探してよいか迷われている方には、マッチングサービスがおすすめです。
- 新着記事
店舗デザインマガジンについて
店舗デザイン.COMが出店者の方へお届けするWEBマガジン。
出店者より寄せられた悩みや疑問を元に、内装のデザイン、設計、施工に関する業界知識や制度などの役立つ情報を定期配信しています。
自分に合ったデザイン会社が見つかる!
お店のイメージを登録するだけで、平均7社から提案が受けられます。