【スナック開業ガイド】店舗デザイン・必要な資格と届け出・運営のコツを徹底解説
2025-08-19

「ママ」との会話やお酒を楽しめる、大人のためのお店「スナック」。
カウンター中心の小規模な店舗から始められ、お店の個性を活かした運営で常連客を掴めるビジネスです。
しかし、実際に開業するとなると「資金はいくら必要?」「許可や資格が複雑で難しそう…」「どうすれば繁盛店になれるの?」といった不安も多いのではないでしょうか?
スナック経営を軌道に乗せるためには、戦略的な準備が必要不可欠です。
そこで、この記事ではスナック開業までのおおまかな流れや行政への届け出、内装の工夫、運営の注意点などを網羅的に解説します。
初心者でも実践できるノウハウをお届けしますので、ぜひご一読ください。
スナック開業までの7つのステップ
はじめに、スナック開業までのおおまかな流れを確認しておきましょう。
スナックを始めるための手順は、次の通りです。
- 1:コンセプトの設定と市場調査
- 2:開業資金の調達
- 3:物件の選定
- 4:内装工事の依頼
- 5:備品等の準備
- 6:開業に向けた宣伝
- 7:行政機関への届け出
1のコンセプト決めと2の開業資金の調達は、開業の半年前を目途に終わらせておきましょう。
3の物件の選定と4の内装工事の依頼については開業3ヶ月前までを目安にすることをおすすめします。
スナックの開業を成功させるためには、特に1の「コンセプトの設定と市場調査」が重要です。
どんな雰囲気のお店にしたいのか、ターゲットはどのような層なのか、どんな場所で、どんなおもてなしをしたいのか……ここがブレてしまうと、その後の開業準備すべてに影響が出てしまいます。
他店舗との差別化を図るためにも、こだわりを持って理想の店舗について考えましょう。コンセプトを考えた後は、それを実現するための市場調査も忘れずに行ってください。
スナック開業に必要な資格
次に、スナック開業に必要な資格について確認していきましょう。
スナックを開業するためには、以下の2つの資格が必要です。
- 食品衛生責任者
- 防火管理者(条件に当てはまる場合)
スナックでは飲食物を取り扱うため、必ず食品衛生責任者を配置する必要があります。
栄養士や調理師など特定の国家資格を持っていれば無条件で有資格者となれますが、必要な国家資格を持っていない場合は都道府県が行う講習会を受講しなければなりません。
現在はeラーニングでの受講も可能ですので、比較的取得は容易です。
さらに必ずしも店舗オーナーが資格所有者である必要はありません。
また、店舗の収容人数やテナントとして入居している建物によっては防火管理者の配置が必要となる場合もあります。
防火管理者も、食品衛生責任者と同じで都道府県が行う講習を受講することで資格取得が可能です。
スナック開業に必要な許可・届け出
スナック開業に必要な許可と届け出について見ていきましょう。
スナックを開業するためには、以下の4つの届け出が必要です。
- 開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)
- 飲食店営業許可
- 深夜酒類提供飲食店営業許可
- 風俗営業許可(1号)
個人事業主としてスナックを開業するにあたっては、税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」(開業届)を提出しなければなりません。
可能であれば「青色申告承認申請書」も同時に提出しておきましょう。税制上多くの優遇措置を受けることができます。
また、スナックは飲食物を取り扱うため、保健所から「飲食店営業許可」をもらう必要があります。
これは、飲食店にふさわしい設備や衛生基準を満たしていることを証明するものです。
内装工事前に保健所の担当者に図面を確認してもらい、工事の後基準を満たしているか検査してもらう流れになりますので、忘れずに届け出ましょう。
複雑なのが「深夜酒類提供飲食店営業許可」と「風俗営業許可(1号)」です。
「深夜酒類提供飲食店営業許可」は、深夜0時以降もお酒を提供したい場合に必要な許可、「風俗営業許可(1号)」はお客さまへの接待(会話やお酌など)を提供したい場合に必要な許可です。
ただし、「風俗営業許可(1号)」を取得している場合、深夜(0時~6時)営業ができなくなります。
つまり、「深夜酒類提供飲食店営業許可」と「風俗営業許可(1号)」はどちらかしか取得できません。
お店のコンセプトを決める際、どちらの許可を得て営業するのか(またはどちらも取得しないのか)しっかり考えておきましょう。

魅力的な店舗デザインで常連客を掴む!
続いて、スナックで常連客の心を掴む内装デザインのポイントを見ていきましょう。
スナックの魅力は、居心地の良さと「この店ならでは」の個性的な雰囲気です。
お客さまに愛されるお店にするためには、以下の3点を心がけましょう。
- コンセプトにあわせ内装に統一感を出す
- 柔らかなライティングを意識する
- 適切な距離感を保てる座席配置を心がける
最も大切なことは、お店のコンセプトと内装デザインを一致させることです。
皆でワイワイ会話を楽しめる空間にしたいのか、しっとりと静かにお酒を味わう隠れ家にしたいのか……理想とする空間によってインテリアの選び方も変わってきます。
コンセプトに沿った内装を心がけましょう。
また、客席には柔らかな照明を用いるようにしましょう。
明るすぎると、お客さまがリラックスできなくなってしまいます。
間接照明なども積極的に使って、落ち着いた空間作りを心がけましょう。
そして、人と人との距離感が丁度良くなるよう座席配置にもこだわりましょう。
スナックは小さな店舗での営業が多いため、どうしても席数を増やしたくなります。
しかし、席数をむやみに増やすと窮屈で居心地が悪くなってしまい、本末転倒です。
快適さと適度な収容人数、両方を満たせる座席配置を考えることが大切です。
スナック運営の成功の秘訣
最後に、スナック運営における成功の秘訣を考えていきましょう。
末永く繁盛店として生き残るためには、次のようなことを意識することが大切です。
- SNSを活用し、新規顧客獲得を目指す
- 定期的にイベントを開催し、リピート率アップを目指す
- トラブル対応のマニュアルを作る
- お店の雰囲気にあったスタッフを採用し、しっかり教育する
これらの中でも、特に「新規顧客獲得」と「リピート率アップ」は成功の要です。
「スナックに興味はある。でもなんだか敷居が高い」というお客さまのために、SNSなどでお店の雰囲気を積極的に発信し、「気軽に入店できるお店」にしましょう。
また、一度来店してくれたお客さまに再来店を促すため、お店のコンセプトに合ったイベントを定期的に開催しましょう。
はじめのうちはお客さまにアンケートを取るのも良いかもしれません。
信頼できるパートナーと理想のお店づくりを
適切な手続きでトラブルを防ぎ、魅力的な内装で顧客を惹きつけ、個性的な運営で常連客を増やしましょう。
保健所の基準を満たすことができるか不安な場合は、専門の業者に相談してみることをおすすめします。
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よくある質問(FAQ)
Q1:スナック開業の初期費用はどれくらい?
A:初期費用は店舗規模や立地により異なりますが、300万円~500万円が目安です。
コストを抑えたい場合は、居抜き物件の活用や内装の簡略化が有効。
この他、3~6ヶ月分の運転資金も準備しておくことをおすすめします。
Q2:スナックの利益率は他の飲食店と比べて高い?低い?
A:スナックはドリンクが売上の主軸であり、食材コストが低いため、飲食店の中でも利益率が高い傾向にあります。
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