飲食店に最適な食器棚の選び方とは?【地震・カビ対策が重要!】
2024-06-12

飲食店の厨房になくてはならないものの一つが食器棚。大切な食器や調理器具を収納する什器であるため、使いやすく長持ちするものを選ぶことが大切です。
そこで今回のテーマは「飲食店に最適な食器棚の選び方」。飲食店の食器棚を選ぶ際に押さえるべきポイントや、錆びない・カビない食器棚とはどんなものか、地震対策としてどんな機能があると良いか、保健所の定める基準などについて解説します。ご参考にしていただければ幸いです。
飲食店の厨房で使う食器棚選びのポイント
飲食店、特に厨房で活用する家具を選ぶ際は、オフィスや家庭で使うものを選ぶ以上に注意が必要となります。飲食店の厨房では水が多用されますし、湿気や熱にさらされる機会も多いからです。飲食店で使用する食器棚をセレクトする場合は、以下のポイントに気をつけましょう。
- 耐水性は高いか
- 抗菌性・防サビ性は高いか
- 地震対策はしやすいか
水への強さや抗菌性、防サビ性、カビの生えにくさなどは、厨房での衛生面に直接関わります。また、地震が発生した際に被害を最小限におさえられるよう、地震対策を施しやすいものを選ぶ必要があります。
抗菌性・防サビ性に注目!カビを防ぐためにできることも
まず、抗菌性や防サビ性について考えていきましょう。火を使うため高温になりやすく、湿気もこもりやすい厨房は菌が非常に活性化しやすい環境です。また、サビによる腐食の進行しやすい状況でもあります。飲食店において清潔さを保つのは何よりも重要なことですから、これらの菌やサビを可能な限り防がなくてはなりません。
そのためには、「抗菌機能がついているか」「防サビ加工は施されているか」という部分の表記に注目する必要があります。必ず機能つきのもの・加工が施されたものを選びましょう。
防サビ加工については、後の章で述べますが保健所の規定で言及されていることも多いため特に気をつけなければなりません。加えて、「サビにくい金属で作られた食器棚を選ぶ」ことも有効です。例えば錫メッキはクロムメッキに比べ、5倍近く防サビ性が高いと考えられています。
また、カビが生えるのを防ぐためには、「食器棚に収納する前に一度しっかり乾かす」ことも大切です。食器乾燥機を導入している飲食店は多いと思いますが、食器乾燥機から出したばかりで熱気のこもった食器をそのまま食器棚にしまうとカビを発生させやすくなります。食器乾燥機から出したらオープンラックなどで再度熱をとってしっかり乾かし、それから抗菌性・防サビ性に優れた食器棚にしまえば、カビが生える心配は少なくなるでしょう。
地震対策を施しやすい食器棚とは?

次に、地震対策を施しやすい食器棚について考えていきましょう。地震発生の際、被害をなるべく少なくおさえる食器棚とは、次のようなものになります。
- 扉がついている
- 耐震ラッチがついている、または後付けできる
- 棚の端にこぼれ止め(落下防止金具)を装着できる
扉がついていないオープンな棚の場合、揺れによって食器がすべて飛び出してしまう確率が高いので、厨房の食器棚には基本的に扉付きのものを選びましょう。次項で触れますが、保健所の規定でも「常設の食器棚は扉付きのものにすること」と定められていることがほとんどです。
また、扉が地震の際に開いてしまわないため、「耐震ラッチ」がついているとなお良いでしょう。「耐震ラッチ」とは、地震で揺れると自動的に扉をロックするシステムのことです。一定以上の大きさの揺れの場合にのみ作動するタイプなど、いくつかの種類があります。「耐震ラッチ」が点いていない場合は、つけやすいものを選択すると良いでしょう。
また、棚の端に食器が落下してしまうのを防ぐ「こぼれ止め(落下防止金具)」がつけられるかどうかも重要です。什器によっては、こぼれ防止の柵を簡単にセットできるよう、穴が空いているものもあります。
管轄の保健所の基準も必ず確認を
食器棚を選ぶ際には、管轄の保健所の規定も必ずチェックしましょう。営業許可を出す際の基準は地域によってやや異なりますが、食器棚に関しては以下のポイントを確認されることがほとんどです。
- サビを防ぐ加工がほどこされているか
- 扉付きかどうか
- 埃はたまりにくいか
- 掃除はしやすいか
一般家庭のキッチンでは壁の上の方に取り付ける食器棚(吊り戸棚)をよく見かけると思いますが、埃のたまりやすい形状のため飲食店では避けるよう指示されます。また、高さや設置の仕方にも指導が入ることがありますので、事前に保健所職員の方によく相談することがおすすめです。
食器棚を含め、什器の置き場や内装デザインを考える際は、飲食店の店舗デザインに携わった経験を豊富に持つプロの意見を聞けると安心です。専門業者に話を聞き、より使いやすい厨房を設計しましょう。
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