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飲食店の多店舗化に欠かせない、店舗デザインの「マスタープラン」とは?

Photo by iStock.com/StockRocket
飲食店を多店舗展開するうえで欠かせない「マスタープラン」。出店時の設計業務を省力化するこのマスタープランとは、そもそもどのようなものなのでしょう。そのメリットと作成時の注意点をまとめました。

そもそも、マスタープランとは?

飲食業をやっている方でも知らないことの多い、「マスタープラン」という言葉。これは、ある飲食店を多店舗化するときに、ベースとなる「店舗設計指示書」のことです。

居酒屋やファミレスなど大手チェーン店が、空いた物件を取得し、瞬く間に新店舗をオープンしていた……、そんなことを感じたことはないでしょうか? 本来なら経営者と店舗デザイナー、そして内装業者が幾度となく打ち合わせを重ねて決めていく多くのことが、大手チェーンなどではすでに指示書となって決まっているため、スピード出店が可能となるのです。

では、マスタープランではどんなことが決められているのでしょうか?

マスタープランで決めること

多くはレイアウトの概要、テーブル等の家具の大きさ、内装のテーマカラーや壁紙の種類、照明器具、必要な厨房器具・設備のリストなどです。これらはもちろん取得する物件に応じてアレンジできるよう、ある程度の幅を持って決められています。

例えば、チェーン店ならテーブルの大きさや椅子の種類、レジカウンターのレイアウトなどが事前に決められています。それをどのように配置するかは、取得した物件の大きさや形によって異なります。厨房器具も絶対に必要な設備が優先順位をつけて定められています。

Photo by iStock.com/Mindklongdan

マスタープランは絶対必要?

では、多店舗展開をする際に、マスタープランは絶対に必要なのでしょうか? 設計士やデザイナーにマスタープランのメリットについて聞いたので、そのアンケート結果を見てみましょう。

■マスタープランを作ることのメリット
「マスタープランを作れば、今後の展開に対する設計を省略できます。厨房器具リスト、規格サイズのテーブル&チェアがあれば、平面レイアウト、厨房レイアウトも早く決まります。それにマスタープランで決めてある、ロゴ、床材、壁紙、装飾品を当て込んでいけば設計が早く完成します」(T&C JAPAN 秋葉達雄氏)

「1号店を出店した際のブランドイメージ、コンセプトや考え方を共有することで、2店舗目からの展開はスムーズにデザインに入ることができます」(岩本勝也+エンバディデザイン 藤岡和真氏)

「家具や仕上げや看板サインなどを共通仕様とすることで作図時間や設計を練る時間はもちろん、製作などのトータルコストを割安にすることが可能です。厨房のオペレーションが詰められていれば検証にかかる時間も大幅に削減できます」(OFFRECO ヤマシタマサトシ氏)

一方で、マスタープランが十分活用できない例もあるのでしょうか? マスタープランではカバーしきれない部分について、こんな意見もあります。

■店舗ごとの個別プランニングが必要な例
「設備設計に関しては省略は難しいかと思いますので注意が必要です」(ユニオンテック株式会社 伊藤惟之氏)

「店舗ごとの地型にあわせて設計する必要のある壁面まわりなどは、基本仕様をベースにしつつ柔軟に対応する必要があります。店舗ファサードも出店場所によって条件がさまざまなので、あまり楽にはならない印象です」(OFFRECO ヤマシタマサトシ氏)

Photo by iStock.com/ijeab

いざスタート! マスタープラン作成時の注意点

では、いざマスタープランを作るときには、どんな段取りで作ればいいのでしょうか? 注意すべき点と合わせて、まとめてみました。

■誰とどうやって作るか
マスタープランは、プロの目なしに作れるものではありません。そこで、デザイナーや設計業者を選定することになりますが、知りうる中で最も信頼の置ける業者を選択したいものです。というのも、マスタープランを作ってもらった業者に、実際の出店時の設計もしてもらうことがほとんど。しかし、特に飲食店の厨房に関しては、一般の設計士ではよくわからないことも多いからです。様々なタイプの飲食店に詳しく、厨房設計の実績も多い業者を選定しましょう。

■いくらで作るか
マスタープランを設計するということは、個々の出店にかかる手間が軽くなるということです。同時に、マスタープランがあることで、その後の設計料も安くならなければ意味がありません。何店舗作る予定なのかといったスケールメリットも、同時に考慮せねばなりません。そのあたりをグレーにせず、しっかりと打ち合わせしてから設計に臨みましょう。

■どこまで作るか
ファミリーレストランのように明確なプロトタイプがあるのか、地域によりメニューは同一にするのか。お店のヴィジョンにより、作るべきマスタープランの「深度」は変わってくるものです。立地により客層は異なり、客層が違えば消費行動も違うもの。どこまで最初に決めてしまうのか、どの程度のカスタマイズ要素を加えるのか。最初は決めすぎず、慎重にいきたいものです。

いかがでしたでしょうか。一言で多店舗展開といっても、業態やターゲットにより様々なケースがあります。応用度の高いマスタープランを作っておきたいものですね。

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