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内装工事費は「減価償却資産」になる。 減価償却・耐用年数の仕組みや計算方法を解説

Photo by iStock.com/Tg-pint
飲食店の開業資金のうち、最も多くの資金がかかるとされている内装工事費。平均として、開業資金全体のおよそ4割程度にもなるといわれており、確定申告などの際の扱いが非常に重要になります。また、内装工事費には「減価償却」や「耐用年数」といった専門用語がたびたび登場しますが、聞いたことはあってもきちんと答えられない……という方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、内装工事費にまつわる「減価償却」と「耐用年数」について、わかりやすく解説します。

内装費は「減価償却資産」として考える

事務用品や消耗品などはその年度の経費として扱うのが原則ですが、内装工事費のような高額かつ長期的に使用できるものは、「減価償却資産」と呼ばれ、会計上の取り扱いが異なります。さっそく具体例を挙げて説明してみましょう。

例えば1本100円のペンを購入した場合、その年度に事務用品費として100円を計上します。その年度で、ペンの価値は全てなくなったと考えられるからです。一方で内装費として総額500万円の支払いをした場合、すぐに消費するペンとは違い、その年の間に価値が全てなくなるということはありません。そのため、内装などの費用は時間の経過によって徐々にその価値が減少していくと考え、こうした資産を「減価償却資産」と呼びます。飲食店の場合、仕入れ用に購入した自動車なども減価償却資産になると考えられます。

減価償却資産は何年分の価値がある? 「耐用年数」の考え方

減価償却資産は、ものによって価値があるとされる期間が変わります。そのため、「減価償却資産が利用に耐える年数」として、ものの種類ごとに「耐用年数」というものが定められています。国税庁のHPに「耐用年数表」が記載されていますので参考にしてみましょう。

例えば「建物・建物附属設備」の耐用年数にも様々あり、木造か鉄骨かなどで年数が異なります。例えば、木造モルタルの建物は20年、鉄筋コンクリートの建物は34~41年といった具合です。内装設備に関しては、種類によって3~15年と定められています。
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減価償却費の計算の方法

では仮に、内装工事費が500万円で、耐用年数が5年だった場合で考えてみましょう。500÷5=100ですので、1年ごとに100万円ずつ内装の価値が下がっていくと考えます。この金額のことを「減価償却費」と呼びます。そして、減価償却費を5年に分けて経費計上するという形になります。

少々複雑に感じますが、この計算をすることには重要な意味があります。もし、内装費の500万円を1年目で全て経費に算入したらどうなるでしょうか。恐らく、1年目は利益は出ず、場合によっては大幅な赤字になるでしょう。そして、2年目以降は黒字になることが予想されます。しかしこれでは、店舗の正しい業績を見ることができません。耐用年数に従い、正しく経費計上することによって、より正確な利益の推移を見ることができるようになるのです。また、毎年100万円の減価償却費を経費にできれば、利益額もその分抑えられることになります。つまり、減価償却は長期間にわたる節税にも繋がる仕組みでもあるのです。

減価償却する時の注意点

国税庁の「耐用年数表」では、店舗簡易装備は3年、建物附属設備は15年と定められていますが、自分の店がどれに該当するのか判断が難しいところ。賃貸物件の場合には、契約年数=耐用年数として計算することもありますので注意が必要です。

また、内装工事費は開業資金に含まれるのでは? と考える方も多いですが、実際にはそうではありません。開業資金として認められるのは、開業までの期間に購入したパソコンや消耗品、研修費、立地調査費、店舗の賃借料などで、これらは耐用年数を5年で計算をすることになっています。

自分で決算をされる場合には、2年目以降の減価償却費の記載をするのも忘れないようにしましょう。申告後の修正の手続きも可能ですが、かなり手間がかかってしまいます。国税庁の「確定申告コーナー」を利用すれば、前年データの引き継ぎができるうえに記載し忘れを防げますので、ぜひ利用してみてください。

減価償却については複雑な面も多いため、税理士などの専門家に相談することが望ましいです。しかし経営者であれば、最低限の知識は持っておきたいところ。売上をあげることも大切ですが、お店の財務状況や適正な管理ができているかを把握しておく責任があります。特に内装工事費は金額が大きな部分になりますので、人任せにせず、決算前に今一度見直しをするようにしてみましょう。

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