飲食店内に商品販売スペースをつくろう! 必要な許可や助成金、売上アップの施策
2020年11月30日
画像素材:PIXTA
新型コロナウイルスの影響もあり、店舗の入口やレジ近くでテイクアウト商品や手づくりの調味料を販売する飲食店が増えています。また、現在販売していなくても、これから始めたいと考える人も多いのではないでしょうか。しかし、商品を販売する際は手続きが必要な場合もあるほか、メニューを工夫したり、商品の並べ方に気を配ったりすることも大切です。飲食店が商品販売スペースをつくるコツや必要な許可、利用したい助成金・補助金について紹介します。
飲食店の商品販売、必要な許可は?
「飲食店営業許可」を取得した店舗が既存メニューをテイクアウト販売する場合、別途許可を取る必要はありません。しかし、商品として販売する場合は、別途許可が必要になることも。例えば、加工食品を単体でテイクアウト販売する場合、飲食店営業許可とは別の区分になるため、別途手続きが必要となる場合があります。また、移動車や屋台を使い、厨房とは別の場所で販売する際にも許可申請が必要になるでしょう。具体的には、以下の商品にはそれぞれ許可が必要です。
・冷凍食品「食品の冷凍又は冷蔵業許可」
・スイーツ(パン・ケーキなど)「菓子製造業許可」
・食肉製品(ハム・ソーセージ・サラミ・焼き豚など)「食肉製品製造業許可」
・缶詰・瓶詰(ジャム等)「かん詰又はびん詰食品製造業許可」
・ソース・マヨネーズ「ソース類製造業許可」(ソースをかけるハンバーグなどの商品、付属のタレを小分けして販売する場合は必要なし)
・アルコール類「酒類販売業免許」「料飲店等期限付酒類小売業免許」
自社で製造した商品であっても、容器に包装した状態で販売する場合には、「商品の名称・アレルギー表示・添加物表示・期限表示・保存表示・製造者」の表記が必要になります。細かいルールや条件は自治体によって変わるケースもあるため、保健所に確認しましょう。
また、コロナ禍で売上が減少した飲食店のために、アルコール類販売に必要な「料飲店等期限付酒類小売業免許」が国税庁によって付与されています。現在新規申請は受け付けていませんが、すでに申請している方は令和2年12月31日まで延長されることが決定しているため、引き続き販売することが可能です。
<参考>国税庁 料飲店等期限付酒類小売業免許の期限延長に関するQ&A
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商品は「販売に適したメニュー」を選ぼう
商品を販売する場合は許可を得るだけでなく、持ち運びに適しているか、衛生的に問題ないかなど、今一度考えたうえで販売しましょう。例えば調理済みの食品の場合、食中毒菌の発育至適温度帯(約20℃~50℃)に置く時間が極力短くなるよう、適切な温度管理(10℃以下又は65℃以上での保存)を行うなど注意が必要です。また、食中毒に対し一層の注意を払わなければいけないため、従業員間で衛生管理を徹底しましょう。
万が一の場合を考え、賠償責任保険に入るのもおすすめです。持ち帰り商品は袋が有料になることも忘れずに。
助成金・補助金を積極的に利用しよう
店舗に販売するスペースをつくる場合、助成金を利用できる場合があります。例えば東京都では支援策として最大100万円まで、一部経費が助成されます(最終受付日は令和2年12月28日)。また、それぞれの地域・自治体等で支援を行っている場合もあります。下記はその一部です。■東京都板橋区
宅配やテイクアウト等により売上を確保する取組みに要した経費の一部を助成(令和2年12月28日まで)<参考>飲食店サポート事業助成金
■東京都江東区
テイクアウト・デリバリー商品の提供において消費者還元策を実施する事業者に対し、10万円を上限として補助金を助成(令和3年3月15日まで)<参考>【受付中】江東区テイクアウト・デリバリー応援事業補助金|江東区
■埼玉県志木市
収入が減少し、新たにテイクアウト・宅配を始める(始めた)飲食事業者に対し、10万円を上限として補助金を交付(令和2年12月28日まで)<参考>テイクアウト等事業転換補助金
すでに受付を終了している自治体もあるため、それぞれの公式ホームページを確認してみましょう。
商品販売スペースにはどんな工夫が必要?
商品販売スペースはイートインスペースや作業動線の邪魔にならない場所で、お客様の目を引くレジ付近や入口付近が好ましいでしょう。また、ショーケースで美しく陳列すれば、内観の雰囲気を演出する際にも役立つことも。ショーケースが置けない場合は、収納式の棚や机をテイクアウト専用スペースとして活用するのも良いでしょう。商品によっては、小さなフードケースやアクリル什器などを利用すれば、衛生的に見えるようになります。値段やジャンルごとにグルーピングして置き、お客様にわかりやすくディスプレイをするのがポイントです。
ただし、どんなに装飾しても、お客様の目に留まらなければ意味がありません。店内外にポップや看板を設置したり、自社のWebサイトやSNSでアピールしたりしましょう。ショップカードを一新して常連のお客様に渡すのも一手です。商品販売スペースの導入・活用で、売上アップを目指してみてはいかがでしょうか。
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