【セレクトショップ開業ガイド】必要な手続きと費用、店舗デザインのポイントを徹底解説!
2025-06-13

バイヤー独自の視点で厳選した商品を販売できるセレクトショップは、ファッション感度の高い層からの注目を集めています。「センスの良い商品を仕入れて、他とは一味違うお店を作りたい」と考えるオーナーも多いでしょう。
そこで、今回は「セレクトショップ開業に必要なこと」をテーマとして取り上げます。
行政手続きや必要な資格、予算の立て方、店舗デザインのコツなどをわかりやすく解説しますので、ぜひご一読ください。
セレクトショップ開業に必要な行政手続き
開業届:個人事業主としてのスタートライン
個人でセレクトショップを開業する際は、「個人事業の開業・廃業等届出書」(開業届)を国税庁に提出する必要があります。
届出は管轄の税務署で簡単に行え、費用もかかりませんが、「開業から1ヶ月以内に届け出る」という決まりがあるため必ず守るようにしましょう。
青色申告承認申請:節税メリットを最大限に活用
税金面で大きな優遇を受けられる「所得税の青色申告承認申請書」もあわせて提出しておくと良いでしょう。
こちらは、「青色申告書を使って所得税を申告する年の3月15日まで」(開業が1月16日以降の場合は開業から2ヶ月以内)に管轄の税務署へ提出する必要があります。
セレクトショップ開業に必要な許可や資格
セレクトショップの開業には、特別な資格は必要ありません。開業に関する届出が済んでいれば誰でも開業可能です。
ただし、化粧品や中古品を取り扱う場合は、下記のような許可・資格が必要となる場合もあります。
- 化粧品製造販売業許可
- 古物商許可
それぞれについて見ていきましょう。
化粧品を取り扱う場合に必要:化粧品製造販売業許可
国内や海外で作られた化粧品を国内の業者から仕入れる場合、資格は不要です。
ただし、自社で企画した化粧品を国内の工場で製造してもらい、自社名を冠して売る場合には「化粧品製造販売業許可」が必須となります。同じく、他社の輸入した化粧品に自社名を冠して出荷する場合も「化粧品製造販売業許可」が必要です。
もし、自社で化粧品を生産、もしくは直輸入したい場合は「化粧品製造販売業許可」以外に「化粧品製造業許可」も必要ですので注意しましょう。
詳しい手続きは自治体によって異なりますので、各都道府県の担当部署に問い合わせてみてください。
中古品を取り扱う場合に必要:古物商許可
一度人手に渡った物をそのまま、もしくは修理して販売・レンタルする場合は「古物商許可」が必須となります。
申請はセレクトショップのある地域を管轄している警察署でできますので、中古品の取り扱いを検討している場合は忘れずに許可を取得しましょう。
セレクトショップ開業に必要な予算目安
セレクトショップを実店舗形式で開業するために必要な資金は、店舗の規模や立地によっても異なりますが、おおむね400万円から1,500万円程度かかると言われています。
初期費用としては、主に次のような費用がかかります。
- 物件取得費
- 工事費(内装・外装)
- 什器や備品など
- 広告・販促費
- 初期仕入れ代
- その他諸経費(手数料など)
この中で最も大きな割合を占めるのが物件取得費と工事費です。
場合によっては初期費用の半分以上を占めることも。事前に相見積もりを取ったり、業者と相談してデザインを調整したりするなど、費用を抑えるための工夫が必要です。
この他、お店が軌道に乗るまでしばらく時間のかかるケースも多くあります。
少なくとも数ヶ月~半年分程度のランニングコストは事前に確保しておくと安心です。
セレクトショップの店舗デザイン、5つの成功ポイント

人気のセレクトショップになるためには、店舗デザインが重要な役割を果たします。
以下の5つのポイントを押さえ、ターゲット層を引きつけるお店を作りましょう。
- 1:お店のコンセプトを視覚化する
- 2:SNS映えを意識する
- 3:遠くからでも目立つ看板を掲げる
- 4:スムーズな動線を作る
- 5:店舗の雰囲気に合わせて商品の見せ方を工夫する
それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
1:お店のコンセプトを視覚化する
セレクトショップに必要不可欠なのは、なんといってもお店の「個性」です。
そのお店ならではの雰囲気や品揃えに惹かれ来店する方が多いため、入った瞬間お店のコンセプトがわかるよう店舗デザインを心がけましょう。
たとえば、「サステナブルファッション」をコンセプトにするなら、リサイクル木材やオーガニックコットンのディスプレイを採用し環境意識をアピールするなど、入店直後から「このお店らしさ」が伝わるようにコンセプトを視覚化しましょう。
2:SNS映えを意識する
SNSでの評判が来店者数に直結する現代では、「SNS映え」を意識した仕掛けも大切です。
たとえば、身に着けた商品をそのまま撮影できるフォトスポットを設置するなどが効果的。
多くのお客様に「この写真をSNSに載せたい!」と思ってもらえれば、たくさんの人にお店の情報を拡散してもらうことができます。
3:遠くからでも目立つ看板を掲げる
遠くからでも人目を引く目立つ看板を掲げることも重要です。
最近では、LEDのネオンサインやデジタルサイネージ、ショップのSNSに誘導できるQRコード付き看板などが若者向けのショップで人気を集めています。
看板を設置する際は、各自治体が定める屋外広告物条例を確認し、規定を遵守する必要があります。デザインやサイズ、設置場所に制限がある場合があるため、事前に必ず管轄の自治体に確認しましょう。
4:スムーズな動線を作る
店内のスムーズな動線は、お客の店舗滞在時間を延ばし、購買率を高めます。商品が自然に目に入るような配置を心がけましょう。
狭い店舗では、壁面什器を積極的に活用し、中央に細い通路を確保することで奥行き感を演出できます。
5:店舗の雰囲気に合わせて商品の見せ方を工夫する
商品の陳列も、お客の購買意欲を刺激する重要な要素です。
カジュアルな雰囲気のお店なら、商品をラフに積み重ねたスタイルで親しみやすさを演出。一方、高級感を重視する場合は、商品間に余白を設け、スポットライトで強調するのも良いでしょう。
個性を活かした魅力的な店舗づくりをするには多くの知識や経験が必要となります。
不安な場合は専門業者に相談し、プロのアドバイスを取り入れましょう。きっと素敵なアイデアを提供してくれますよ!
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