都市型BBQ施設（名古屋市近郊　春日井市）

敷地は4,000㎡弱あり、元々車両の解体工事場があった場所である。
高速の春日井ICの出入り口から5分程度の場所に位置する。

娯楽施設を作る際、いわゆる夢の国のように世界観を作り込む方法がよくある。
一方、BBQ施設などは海や川の近くであったり、森林の中というような風光明媚な環境に置かれることも多い。今回は隣地に高圧電線の鉄塔があり、世界観を作り込むには不向きな環境であることから、工業的な要素があったとしても成立するように全体計画を考えるという、郊外の都市型BBQとしての在り方を模索した。

配置計画に、図式的な強い形を取り入れることで、
周辺要素に左右されない自律的な施設となることを期待した。

主動線として、大きな円を配置し、その中に、A　B　Cそれぞれ5卓ずつテーブルを備えた円を配置している。五角形のように配置をすることで、対角線上の向かい合う先には、相手のテーブルのない構成となっている。

ABCのサークルを繋ぐように、子供用の人工芝のサークルを設け、1年を通して、草の色の変わる芝生と、変わらない人工芝で差異をつけている。

オープン後も、ドッグパークやキッズパーク等、拡張と展開の可能性を踏まえ、主動線の円に外接するウッドチップの円弧を設けている。

なお、各サークルを見切る素材と、施設名サインには、解体場だったときから敷地内で利用していた耐火レンガを利用することで、敷地の重ねた歴史を継承することも意識した。

サイン計画においても、タイヤ形状の転がった軌跡のようなフォントとしている。

車輪の輪を意識しつつ、施設全体に円環の要素を取り入れたことで、
強い自律性を獲得できたと考えている。

Sign designed by Kohei Harata