HACO+


業態　　　　：ヘアサロン

広さ　　　　：35坪

工期　　　　：3ヶ月（設計期間含む）

依頼内容　：設計・デザイン / 施工 / 什器・照明制作

工事前状況　：スケルトン（RC造）

所在地　　　：東京都港区

独自素材：土＋漆喰（ファサード）
独自加工：アクリルカバー付LED照明

グリッドフレーム工場制作箇所：壁面及び中央ｾｯﾄ面、天井LED照明、ｼｬﾝﾌﾟｰｷｬﾋﾞﾈｯﾄ、ｴﾝﾄﾗﾝｽ造作、壁面仕上等




≪LONDONからの依頼≫


LONDONベースのヘアサロンの日本人オーナーより連絡いただいた。
単身で渡英、有名ヘアアーティストに師事し、その後独立された、なんとも夢のようなストーリー。

また、いままでのお仕事実績は、ワクワクするような、斬新な仕事であった。


要望は、コンクリートブロック（いわゆるダンゴ貼りのセメント接着剤がついたまま）の素地を活かしたい、奥にピンク色の壁が欲しい、セット面はそれぞれが異なる割れたような形、カーテンを多用、などかなり明確なご依頼だった。

わたしたちが得意な金属でのものづくりと上手く調和し、かつ目指す空間も共感できるものだったためチーム一同ハイテンションで進めることができたプロジェクトだ。

ヘアアートが毎日生まれる空間にふさわしい、独自性と自由さにあふれた空間。

セット面のミラーや照明など機能的な部分で遊び、ヘアサロンとして成立させる、というのが
共通の見解だった。

ミラーは割れたように、それもPunkish（パンク風）にしたい、という依頼だったため、多角形や鋭角をデザインに取り入れた。また、ランダムに設置された壁や天井のLED照明は、位置によって照度や色味が変わるように、サイズや色温度など細かく確認しながら取り付けた。

ファサードはそのままでも、というのが施主の意見だったが、内部空間とコントラストを成すような秩序をミニマムなフレームデザインで表現。

ロンドンのオーナーご夫妻の他、日本法人の代表、そしてイギリス人家具デザイナー（家具の選定）などいつもよりチームメンバーが多かったが、任せていただく部分とこだわる部分のメリハリがはっきりしていたため、距離を感じずにスムーズに進行。特に設備関連は、LINEで細かくやりとりをして、要望に対するベストの提案まで、迅速に対応できたと思う。


とはいっても、ロンドン↔東京のズームでの打合せが確認手段のため、カーテン生地の透け感なども、現物ではなく、映像で確認していただいたりして、普段とは異なった緊張感があった。ようやく店舗の現地でお会いできたのも、着工後だったので、万が一の行き違いがないかドキドキしながら確認したのも貴重で懐かしい経験だ。



ロンドンと東京、今後の展開が気になるコスモポリタンなヘアアーティストたちのサロンに関わらせていただけたことに乾杯。