京町屋の歴史を感じさせる天井をそのまま現した中に、紺と赤を対比的に見せることでお互いのテクスチャーが引き立て合う空間を目指しました。

　この店舗が入る敷地は、１階が飲食店、２階がアパレルショップと客室となっています。ショップへ登る階段へは、飲食店の間を通る動線となっており、食事を楽しむ客人と２階へ向かう客人が交わるカタチ。

　目的は違うけれど、空間を共有することで、人と人とのコミュニケーションにおける寛容さが広がっていくように感じています。

　アパレルショップの設計は、商品を購入することだけが目的の場となるのではなく、スタッフと客人が商品というツールを通して価値観を共有し深い関係を築く場として、ブランドの特色を活かすべきだと考えています。

　この場所に身を置くことで、ブランドの世界観を肌で感じながら、じっくり商品を吟味できる居心地の良さをも感じる空間となっています。