大阪市・JR放出駅から徒歩10分圏内にオープンしたカフェダイニング。地上2階建ての建物の1階部分、約50㎡（15坪）を改装しました。提供するのはハンバーガーやカレー、アサイボウルなど気軽に楽しめるメニューに加え、オーナーこだわりのハンドドリップによるスペシャリティコーヒー。地域の方が年齢を問わず立ち寄れる、明るく心地よいお店を目指して計画されました。

オーナーご夫婦との打ち合わせの中で印象的だったのは、「地域に開かれた、誰もが入りやすい店にしたい」という想いでした。実際に完成した店内では、ランチを楽しむ家族連れから、コーヒーを片手に読書をする常連客まで、幅広い世代のお客様が自然に過ごしています。

設計では、将来的に2階を焙煎室やギャラリーとして活用することを見据え、キッチンを少し大きめに確保。動きやすさと心地よさを兼ね備えたセミクローズドキッチンとしています。内装はモルタルをベースに、ビンテージウッドや白壁、木製家具、ステンレスなどを組み合わせ、無機質になりすぎないよう調和を意識しました。

ファサードは白を基調に清潔感を出し、外壁には手書きサインを取り入れて親しみやすい印象に。過度におしゃれすぎて構えられることがないように配慮し、誰でも気軽に立ち寄れる雰囲気を大切にしました。

今回は予算の都合で2階の施工は見送られましたが、今後の展開を見据えて可能性を残しています。焙煎室やギャラリーなど、ご夫婦の思い描く未来像が実現していく過程も、このお店の魅力のひとつです。地域に根ざし、長く愛される存在となることを願っています。