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シェアオフィス・コワーキングスペースの内装のコツは?【レイアウトや設備のポイント】

明るく開放的なコワーキングスペースの内装イメージ画像素材:PIXTA

コロナ禍を経て在宅勤務やリモートワークが普及したことにより、仕事環境に関する問題を耳にする機会が増えました。よくある悩みとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • 家族が近くにいて集中できない
  • 仕事専用スペースがなく効率が落ちる
  • 仕事仲間がいないため孤独感を覚える

シェアオフィスやコワーキングスペースは、これらの課題を解決する有効な選択肢です。最近では「自分自身や周囲の経験から、開業を検討したい」という声も増えています。 そこで今回は 「シェアオフィス・コワーキングスペースのデザイン」 をテーマに、それぞれの違いとデザインのポイントについて解説しますので、参考にしていただければ幸いです。

シェアオフィスとコワーキングスペースの違い

まず、シェアオフィスとコワーキングスペースの違いについて確認しましょう。

シェアオフィスとは?

集中して作業ができる個室タイプのシェアオフィス画像素材:PIXTA

複数の企業や個人がオフィスを共有する形態で、以下のような特徴があります。

  • その場で仕事ができる
  • プリンターやコピー機、インターネット環境などが使える
  • 会議室が使える
  • 住所を法人登記できる施設が多い
  • 郵便物の受取や電話代行サービスがある場合も

シェアオフィス最大のメリットは、物件の契約や内装工事などが不要で、借り手の手間が少ないこと。独立したオフィスを持つことが経済的に難しい方のための共有オフィスだと考えると良いでしょう。月額料金での契約が一般的です。

コワーキングスペースとは?

利用者同士が交流しやすいオープンスペース型のコワーキングスペース画像素材:PIXTA

Co(共同・共創)の概念を取り入れた空間で、異業種の利用者同士が交流しやすい点が特徴です。設備はシェアオフィスとほぼ同様ですが、次のような特徴があります。

  • 利用者同士が交流できる仕掛けがある
  • ドロップイン(1時間・1日単位)の利用が可能な施設が多い

備わっている設備自体はシェアオフィスとさほど変わりませんが、コワーキングスペースの場合は多くの場合、それにプラスして「利用者同士が交流しやすい仕掛け」が用意されています。近年はシェアオフィスとの中間型施設も増え、両者の境界は曖昧になりつつあるでしょう。

シェアオフィスやコワーキングスペースの内装デザイン

カフェのようなおしゃれなラウンジエリアの内装画像素材:PIXTA

続いて、シェアオフィスやコワーキングスペースの内装デザインについて考えていきましょう。利用者の満足度が高い施設には、以下のような共通点があります。

  • 受付に安心感がある
  • 適切にゾーニングされている
  • コミュニティエリアがある
  • イベントに使える多目的エリアがある
  • 防音対策に力を入れている
  • 照明が工夫されている

それぞれについて見ていきます。

受付に安心感がある

1つ目は、受付が安心感のあるデザインになっていることです。受付はシェアオフィスやコワーキングスペースの顔と言っても過言ではありません。初めてやって来た利用者に「ここは良さそうだな」「素敵な場所だな」と感じてもらえるよう、おしゃれなおもてなし空間にすることが大切です。

  • カフェ風カウンターの活用
  • 観葉植物の設置
  • ソファの配置
  • アートを飾る

などの工夫で、「気分の上がる」場所を作りあげましょう。

適切にゾーニングされている

2つ目は、目的に合わせて適切にゾーニングされていることです。休憩する場所と仕事に打ち込む場所が混ざっていると、臭いや騒音が問題になりがちです。

  • 静かに作業をするエリアと会話OKのエリアを分ける
  • 飲食スペースは隔離し、臭いが他の部屋に流れ込まないよう気をつける
  • 会議スペースは防音を徹底する

など、用途に応じて明確に空間を分けましょう。エリアからエリアへの動線にも気を配る必要があります。また、近年特に重要視されているのが「WEB会議(Zoomなど)への対応」です。オープンスペースでのWEB会議は、話し声が周囲の迷惑になったり、情報漏洩のリスクがあったりとトラブルの元になります。そのため、周囲を気にせず通話ができる「WEB会議専用ブース(テレカンブース・フォンブース)」の設置は、今のシェアオフィスには欠かせない設備と言えるでしょう。

コミュニティエリアがある

3つ目は、コミュニティエリアがあることです。シェアオフィスとコワーキングスペースに明確な違いがなくなりつつある現在、利用者同士がコミュニケーションをとれるエリアは必要不可欠です。

  • 休憩スペースをカフェ風にする
  • テーブル同士の距離を近めに配置する
  • 相席スタイルの大きなテーブルを導入する
  • イベント情報を掲示できるスペースを作る

など、自然と会話が生まれるような工夫をしてみましょう。

イベントに使える多目的スペースがある

4つ目はワークショップやセミナーなどに使える大きめの多目的エリアを作ることです。音響設備やプロジェクター、ホワイトボードなどを配置し、「イベントに使える」ことをアピールしましょう。

利用者が主催するセミナーなどで多目的スペースを使ってもらえれば、そのイベントでコワーキングスペースに足を運んだ方が新規顧客になってくれる可能性も高まります。施設の認知度を上げる意味でも、多目的スペース設置はおすすめです。

防音対策に力を入れている

5つ目は、防音対策に力を入れていることです。会議室や多目的スペースの防音を徹底することは当然として、作業スペースの防音にも気を配った方が良いでしょう。集中して仕事に打ち込みたい方にとっては、小さな音も気が散る要因になります。

  • 足音を吸収するカーペットを敷く
  • 音を吸収する素材を使ったカーテンでスペースを仕切る
  • 吸音機能付きパーテーションを活用する

など、事前に対策をとることが大切です。

照明が工夫されている

6つ目は、照明が工夫されていることです。休憩エリアにはあたたかみのある温白色や電球色の照明、作業スペースには集中力を高める効果のある昼白色や白色の照明など、エリアに応じて適切な照明を設置しましょう。


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開業に関するQ&A

シェアオフィス・コワーキングスペース開業に関してよくある質問についてまとめました。

Q: セキュリティにも力を入れたいと思っています。どんな対策があるでしょうか?

A:セキュリティ強化のためには、以下のような設備・機能の活用がおすすめです。

  • 有人の受付
  • ICカード
  • 鍵付きのロッカー
  • 防犯カメラ

ネットワークにおけるセキュリティ対策としては、Wi-Fiの個別IDや個別パスワードの導入が効果的です。

Q:内装の工事費用を抑えるコツはありますか?

A: まずは「居抜き物件」を検討するのが一番の近道です。前のテナントが残した壁や天井、空調設備などを活かすことで、一から作るスケルトン物件よりも大幅にコストを抑えられます。また、家具や備品は新品にこだわらず、中古品やアウトレット品を活用するのも有効です。
DIYについては、壁の塗装や棚の取り付けなど、部分的に取り入れるのがおすすめです。ただし、シェアオフィスはビジネスの拠点として利用される場所ですので、相応のクオリティや耐久性も求められます。「エントランスや会議室など、企業の顔となる重要な場所はプロに任せ、アクセントとなる装飾部分は自分たちで行う」など、場所や工程でメリハリをつけることが、費用を抑えつつ信頼感のある空間を作る秘訣です。


利用者に満足してもらえるシェアオフィスやコワーキングスペースを作るためには、専門家の視点も欠かせません。内装デザインでお悩みの際は、実績豊富な専門業者に一度ご相談されることを強くおすすめします。

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