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客席稼働率が売り上げアップのポイント!【飲食店の満席率が上がるレイアウト術】

Photo by 画像素材:PIXTA

歓送迎会や忘年会など、かき入れ時の前に改めて考えたいのが店舗の座席配置。お店の中にはコロナ禍のニューノーマルに対応するため、余裕のある席の配置に変更した店舗も多いと思われます。それが現在の来客状況に合っているのか1度見直してみても良い頃合いかもしれません。


そこで、今回のテーマは「飲食店の客席のベストな配置」をテーマとして取り上げます。座席数の基本的な考え方や、押さえておきたい客席稼働率の見方、無駄のない座席配置を行うためのテクニック、座席配置以外に工夫できることなどについて説明しますので、ぜひ参考にしてください。


厨房面積比と席数の基本をおさらい

まず、飲食店における厨房の比率(厨房面積比)と座席数の基本について確認しましょう。厨房面積比は店舗の営業形態により変化するのが基本です。フルサービスの場合、厨房面積比は3~4割程度、セルフサービスやイートインの場合は1~2割程度になるよう調整するのが一般的。テイクアウトに力を入れている場合は、受け渡し場所の確保もあるため、もう少し厨房面積比が高くなる傾向にあります。


席数についてはダイニングフロア1坪当たり2席がベースの考え方です。これは大衆向けの一般的なフルサービスのレストランでよく取り入れられている計算方法で、高級店の場合はここから席数を減らし、カジュアルなお店の場合はもう少し席数を増やすことになります。具体的には、高級店の場合は1坪当たり1席、カジュアルなファストフード店の場合は1坪当たり3席で計算している店舗が多いようです。


ただし、これはあくまで基本。ダイニングフロアに、「寒すぎる・暑すぎる」「匂いや音が酷い」「装飾品が置かれている」などの理由で使えないスペースがある場合、席数はもっと少なくなります。ダイニングフロアになるべく使えないスペースがない方がしっかり席数を確保できると考えて良いでしょう。


客席稼働率(満席率)も要チェック!

Photo by 画像素材:PIXTA

次に、「客席稼働率」についても見ていきましょう。「客席稼働率」とは「すべてのテーブルが埋まっている満席状態の場合、実際にお客様が座っている座席の割合はどれくらいか」というもので、「満席率」と呼ばれることもあります。


「満席なのだから全席埋まっているのでは?」と考えがちですが、ここが盲点。たとえば、4人がけのテーブルに2人組のお客様をご案内しているのはよく見る光景です。場合によっては6人がけの大きなテーブルに2人組ということもあるでしょう。この場合、建前上は「満席」でも、実際は1/2~1/3の座席しか埋まっておらず、残りの座席が無駄になっていることになります。


「客席稼働率(満席率)」は、「実際のお客様の人数÷座席数」で計算可能です。一般的にこの数値が「0.7(パーセントで考える場合は70%)」を超えることが好ましいと考えられているため、それより数値が低い場合は、座席配置になんらかの問題があると考えて良いでしょう。起こりやすい問題としては、次のようなものが挙げられます。


  • 1人で来店するお客様が多いのに、カウンター席がない
  • カップルで来店するお客様が多いのに、テーブル席は4人用ばかり
  • どのテーブルも同じ人数ずつしか座れない

モーニング、ランチ、ディナーなど、複数のピーク時間帯がある店舗では、それぞれの時間ごとに稼働率を計算し、分析してみるのもおすすめです。


客席稼働率(満席率)を上げるための座席配置

続いて、客席稼働率(満席率)を上げるために何ができるかを考えてみましょう。座席配置の面でできる取り組みとしては、以下のようなものが挙げられます。


  • ターゲットとするお客様を明確にする
  • カウンター席を設ける
  • 可動式の座席を導入する

まず大切なのは、ターゲットとするお客様を明確にすることです。一人客を中心として受け入れたいのか、ファミリー層をメインターゲットにするのかでは必要な座席も変わってきます。時間帯ごとにターゲットを絞り、それに合わせた座席配置を行いましょう。


また、カウンター席のない店舗は少数でも良いのでカウンター席を設けると良いでしょう。カウンター席は人数にとらわれず1人からお客様をご案内できることもあり、空席を作りたくないときに大変便利です。


「可動式の座席を導入する」ことについては、例えば「ランチタイムやティータイムは1人客や2人客が多いが、ディナータイムはもっと人数の多いグループ客が多い」といったケースが考えられる店舗におすすめです。2人がけの可動式テーブルなら、その時の状況に合わせてくっつけたり離したり、臨機応変に対応できます。


座席の配置変更と合わせて導入したい工夫

座席の配置変更と合わせて行うことで客席稼働率をアップさせる工夫には、次のようなものがあります。


  • 店員が座席を指定する
  • 席を荷物置き場にさせない仕組みを作る
  • お客様同士がすれ違いやすいようゆとりを設ける

最も効果的なのが、入口で店員がお客様の座る席を指定すること。「お好きな席におかけください」と案内してしまうとお客様はついついゆとりのある座席を選んでしまいがちです。2人組なら2人席、1人ならカウンター席と、人数にぴったり合った席に店員が案内することで、無駄になってしまう客席を減らしましょう。


また、椅子の下に荷物かごを設置したり、入口にコートをかけるスペースを設けたりすることで「空いた座席を荷物置き場にさせない仕組み」を作りましょう。荷物かごが別にあればお客様は座席ではなく、そこに荷物を置いてくれるようになります。


お客様同士、またお客様と店員がすれ違うスペースが十分にあることも大切です。導線を考えて席が配置されていることで、店員の料理提供が素早くなりますし、お客様もスムーズに入退店できるようになります。


座席配置に悩んだら、店舗デザインにくわしい専門の業者に意見を訊いてみるのもおすすめ。ベストな座席配置を模索し、繁忙期の売り上げアップを狙いましょう!




あわせて読みたい: 過ごしやすい客席や厨房を作る! 飲食店が知っておきたい店舗レイアウトの基本

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