ワインセラーの選び方とポイントは?【導入前に知っておきたい基礎知識】
2024-06-18

ここ最近、ナチュラルワインの人気が急上昇しており、フレンチやイタリアンだけでなく、居酒屋、和食、中華といった幅広いジャンルの飲食店が提供するようになりました。
ナチュラルワインに限りませんが、ワインの保存に適した温度は10~15℃程度、湿度は60~70%と言われており、冷暗所や冷蔵庫では長期保存に適していません。そこで導入を検討したいのが、ワインの品質管理に欠かせないワインセラー。飲食店で使用するならどのようなものがおすすめか、基礎知識やセレクトの際のポイントなどをご紹介します。
冷蔵庫で保管するのと何が違う?
前述したようにワインの保存に適した温度は、赤、白、スパークリングなど種類に関係なく10~15℃ほど。冷蔵庫の温度は通常3~5℃ほどなので、冷蔵庫では冷やしすぎてしまいます。
また、冷蔵庫内は乾燥しているため、ワインのコルクが縮んでしまい、ボトルの密閉性が低くなるというデメリットもあるのです。密閉性が低くなれば、空気が入ってしまい、酸化や品質の劣化は免れません。
一方、ワインセラーは、ワイン保存に適した温度と湿度を保ち、劣化を防ぐだけでなく、長期熟成させることも可能です。ワインを飲み頃の温度で保存することもできるので、すぐに最適な状態で提供することが可能になります。
ワインセラーのタイプと購入のポイント

ワインセラーといっても多くの種類があります。以下のようなポイントを押さえて、購入を検討するのがよいでしょう。
■2温度型か単温度型か
2温度型とは異なる2つの温度設定で保管できるワインセラー、単温度型は一つの温度設定のみのワインセラーです。
ワインの保存に適した温度は、赤、白、スパークリングと変わりませんが、飲み頃の温度は、それぞれ異なります。一般的に赤ワインは16~18℃、白ワインは10℃前後、スパークリングや甘口のワインは5℃前後です。
白ワインのみ、赤ワインのみの取り扱いであれば、飲み頃の温度設定で保存しておきセラーから出してすぐに提供することもできるので、単温度型のワインセラーでも十分でしょう。しかしながら、赤ワインと白ワイン、両方を取り扱う店がほとんどではないでしょうか?
例えば15℃で赤ワインと白ワインを保存していた場合、単温度型だと白ワインはワインセラーから出して提供するまでにワインクーラーで冷やすなど、飲み頃の温度に調整するのが一般的です。一方、2温度型は異なる2つの温度設定が可能なので、赤ワインと白ワインそれぞれを、提供するのにも最適な温度で保存しておけるというメリットがあります。
■コンプレッサー式かペルチェ式か
現在ワインセラーは、ペルチェ式とコンプレッサー式、2種類の冷却方式が主流となっています。ペルチェ式は主に小型のものが多く、コンプレッサー式は30本クラス以上の大きさのものも豊富です。それぞれにメリットデメリットがあります。
ペルチェ式
半導体方式で冷却するため可動部がなく静穏です。例えば、一般家庭のリビングや寝室などに置いても音が静かで違和感がありません。比較的安価で購入できるのもメリットですが、コンプレッサー式と比べると冷却機能が弱いというデメリットがあります。また、加熱機能はありませんので、置き場所や季節によっては冷えすぎてしまう可能性もあります。
コンプレッサー式
通常の冷蔵庫のようなモーター音がします。外気に左右されずに冷却力が強いのがメリットで、夏場の気温が高い日本ではコンプレッサー式が最適という声も。また、コンプレッサー式の多くは加熱機能が搭載されており、冬場でも設定温度が安定するのもメリットです。
ラインナップに合わせてご検討を
ワインセラーは、10〜30本前後保存ができる小型ものから、数十本保存可能なもの、100本以上保存可能なもの、キッチンなどに組み込めるビルトインタイプ、人が入れる大きさのウォークインタイプなど大きさも多彩。ワインが主力ではない飲食店であれば、使い勝手の良いコンプレッサー式かつ2温度型がおすすめですが、性能を突き詰めればその分だけ価格帯も上がります。そのほか、例えば居酒屋や和食店の場合はワイン以外のアルコールをメインで提供する店が一般的ですので、日本酒などを管理できるタイプを選ぶのも良いでしょう。
長期保存の効くワインは、飲食店にとって資産と捉えることもできます。大切な資産の価値を損なわないためにも、ドリンクのラインナップ、店の規模や予算に合わせて適切なタイプを選びたいもの。導入に悩んだ際には、ぜひ実績のある業者に相談して理想的なワインセラーを見つけ出してください。
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