集客力のある飲食店のファサードとは?【入店率を高めるデザインのコツ】
2024年10月28日
「ファサード」とはフランス語で建物の外観を意味する言葉で、飲食店においては看板やディスプレイ、照明、メニューボードなどを指します。ファサードは店舗に対するお客様の第一印象を左右すると考えられているため、売り上げアップを目指すならぜひ力を入れたい部分です。
そこで、今回は「集客に効果的な飲食店のファサード」をテーマとして取り上げます。ファサードの担う役割や、ファサードのデザインを考える上で知っておきたい店前通行量などの知識、デザインの具体的なコツなどについて説明します。ぜひ参考にしてください。
ファサードはなぜ重要?ファサードの持つ二つの役割
はじめに、なぜ飲食店にとってファサードが重要なのかについて確認しましょう。ファサードには大きく分けて次の二つの役割があります。
- 道行くお客様にお店の存在をアピールすること
- お客様に「このお店に入りたい」と思っていただくこと
一つ目はお店の存在をお客様にアピールし、「ここにこんなお店があるんだ」と気付いてもらう役割です。偶然通りすがっただけで店舗のことを何も知らないお客様にひと目で「料理のジャンル・お店の雰囲気・おおよその価格帯」などを伝える必要があります。ふと目に留まり、かつ感覚的にお店のことを理解できるようにしなければならないのでその責任は大きいと言えるでしょう。
二つ目は、「このお店で食事をしたい」とお客様に思ってもらい、入店の背中を押す役割です。メニューの詳細など、お店の存在を認知したお客様が知りたいと思っていることを発信する必要があります。
多くのお店では、のれんや看板などが一つ目の役割を、店頭のメニューボードなどが二つ目の役割を担っています。
ファサードのデザインを考える上で知っておきたい店前通行量と入店率
次に、ファサードのデザインや盛り込む内容を考える上で知っておきたい「店前通行量」と「入店率」について見ていきましょう。
「店前通行量」は、一定の時間で店舗を行き来する通行者の人数のことで、「店前通行人数」とも呼ばれます。「店前通行量」をはかる際、性別やおおよその年齢などの属性を一緒に計測することも可能なので、事前にぜひ確認したいところです。「〇曜日の〇時頃はこれくらいの人が店の前を通る。多いのは〇歳くらいの女性(男性)」という情報が得られれば、それに合わせてファサードを考えることが可能です。
また、店前通行人数のうちどれくらいが実際に自店舗へ足を踏み入れてくれたのかをはかる数字もあり、これを「入店率」と呼びます。ファサードを変える前と後でどれくらい入店率に差があるかをチェックすれば、そのファサードが効果的であったか否かを客観的に計測できると言えます。
「店前通行量」や「入店率」の計測や分析を行うサービスを提供している企業は多いので、値段や内容などを比べ、自店舗に合ったものを導入すると良いでしょう。
ファサードのデザインを考える上で意識したいこと
続いて、ファサードのデザインを考える上で意識したいことを見ていきましょう。「店前通行量」をはかる際に得られる情報をはじめ、以下の内容に気をつけることが大切です。
- アピールしたいターゲット層(年齢・性別・職業など)
- お店のコンセプト
- 立地状況
- 料理のジャンルやメニュー
- 提供商品の価格帯
どんなに魅力的なデザインでも、集客したい層のお客様にそぐわないデザインの場合、入店してもらえません。仮に入店した場合でも、リピート率に影響してしまいます。メインターゲットが若年層であれば明るくカジュアル、シニア層であれば落ちついた雰囲気になど、アピールしたいターゲット層に合わせた工夫が必要です。
また、お店のある立地により、エントランスやファサードの施工できる範囲が異なります。地域によっても、素材、色、看板の大きさなどの制限がありますので、どの範囲まで施工できるか事前に確認が必要です。
そして、料理のジャンルやメニュー、価格帯でもファサードのデザインは大きく変わるでしょう。和食なのか洋食なのか、大衆的な居酒屋料理なのか高級料理なのかなど、提供するものの内容によってデザインを変える必要があります。客単価を高めに設定する場合は高級感がある雰囲気にするなど、外観からの印象だけでも、お客様に安心して入店いただけるようにしましょう。
集客に効果的な飲食店のファサードデザインのコツ
最後に、集客に効果的なファサードをデザインするコツについて考えていきましょう。思わず足をとめ、入店したくなるファサードには以下のような特徴があります。
- ひと目を引く個性的でインパクト抜群な看板を掲げている
- 取り扱っている料理の内容が一瞬でわかる
- コンセプトが明確でわかりやすい
- 周囲の環境に馴染んでいて不快感がない
- 清潔感とあたたかみがある
- おすすめ料理がメニューボードに大きく書かれている
まず、お客様にファサードを見て足をとめてもらうためにはインパクトが欠かせません。目立つ色づかいにこだわったり、立体的な模型を用いたりして、お客様に「なんだろうこれは?」と興味を持ってもらいましょう。それでいて「なんのお店か」「どんな料理を扱っているのか」も一瞬でわかるようにする必要があります。大阪府には「かに道楽」という老舗のカニ料理屋の本店がありますが、そこの看板に大きなカニの模型が使われていることは有名です。インパクト抜群でありながら、何を扱っているかについても一瞬でわかる良いデザインの一例だと言えるでしょう。
また、インパクトはあっても周囲の風景とあまりに不釣り合いではいけません。例えば穏やかな住宅街に毒々しい色合いの看板が掲げられたら、インパクトはありますが不釣り合いで一瞬ドキリとしてしまいます。インパクトが嫌悪感に変わってしまう可能性もありますので、十分注意しましょう。他店舗との差異化をはかりつつも、環境に溶け込むようなデザインを心がけると良いでしょう。最近では、店舗の壁をガラス張りにし、店内を見えるようにしたガラス・ファサードなども人気です。
お店に興味を持って入口まで来てくれたお客様を入店に繋げるために活躍するのがメニューボード。写真やイラストをふんだんに使い、イチオシのお料理をしっかりアピールするようにしましょう。
店前通行量の測定や集客に効果のあるファサード・デザインについては専門家の協力を仰ぐこともおすすめします。不安なことがあったり悩んだりしたら、ぜひ専門の業者に相談してみてくださいね。
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