施工と竣工の違いとは?【内装工事前に知っておきたい、ややこしい建築用語】
2025-02-21

建築業界では当然のように使用されていますが、聞き馴染みがない言葉は意外と多いもの。「『施工』と『竣工』の違いは?」など、業界用語に頭を悩ませたことのある飲食店オーナーの方も多いのではないでしょうか?
そこで、今回は「内装工事前に知っておきたい建築用語」をテーマとして取り上げます。「施主」「施工主」「建築主」の違い、「設計図」「施工図」「竣工図」など、区別のつきにくいややこしい建築用語をわかりやすく解説しますので、参考にしていただければ幸いです。
「着工」「施工」「竣工」の違いは?
建築工事に関わる際、頻繁に耳にする「着工」「施工」「竣工」という言葉。これらはどう異なるのでしょうか? それぞれの違いについて簡単にまとめると以下のようになります。
■着工(ちゃっこう)
工事を始めること。大規模工事の際は「起工(きこう)」と表現することもあります。
■施工(せこう)
設計図をもとに工事している最中であること。
■竣工(しゅんこう)
工事が終わり、依頼主が使える状態になったこと。「竣功」「しゅん工」と書くこともあります。
つまり、「着工」→「施工」→「竣工」という順序で工事が進んでいきます。ただし、工事を「着工」したとみなされるのは「くい打ち工事」や「根切り工事」など、決まった作業を始めた場合に限ります。
「竣工」と似た言葉に「落成(らくせい)」や「完工(かんこう)」もあります。「落成」は基本的に依頼主が使う言葉、「完工」は建物以外の付帯工事まですべて終わった際に使う言葉だと大まかに捉えておくと良いでしょう。
「設計図」「施工図」「竣工図」の違いは?

続いて、工事の際に使用する図面の違いについて見ていきます。建築現場で用いられる図面には大きく分けて「設計図」「施工図」「竣工図」の3種類がありますが、これらは次のように異なるものです。
■設計図(せっけいず)
工事を始める前に作る図面。出来上がりのイメージを施主や施工主と共有するために作られるもので、工事の際に必要な細かい数字は書き込まれていないことがほとんどです。
■施工図(せこうず)
工事の際、作業現場で実際に使われる図面。細かな寸法や形状、形式、施工方法まで書き込まれています。
■竣工図(しゅんこうず)
実際に出来上がった建物を元に作られる図面。施工中の変更点なども盛り込まれており、リフォームの際などに大切な資料となります。
「着工」→「施工」→「竣工」のときと同じく、「設計図」→「施工図」→「竣工図」の順で作られ、必要となると考えれば良いでしょう。「竣工図」に関しては将来的にリフォームや修繕で必要となることが多いため、しっかり保管しておく必要があります。
「建築士」「設計士」「建築家」の違いは?
最後に、建物の建築に携わる人々の名称について考えていきたいと思います。「建築士」「設計士」「建築家」などの言葉を耳にする機会が多いかと思われますが、これらはすべて意味が違います。
■建築士
法的に認められた専門家であり、名乗るためには国家資格が必要。「一級建築士」「二級建築士」「木造建築士」の3種類があり、それぞれ業務範囲が異なります。「一級建築士」が最も難易度の高い資格です。
■設計士
企業に所属し、設計に関連する仕事をしている人のこと。建築士のサポート業務に携わっている場合が多いと言えます。「設計士」という資格はありません。
■建築家
建築や設計に携わる仕事をしている人の総称。法的な縛りはないため、建築士の資格がなくても名乗れます。建築現場で活躍する人より、デザインや設計に特化している人が名乗ることが多いでしょう。
飲食店の店舗をオープンする際、専門業者と話をする機会は多いもの。事前に大まかな専門用語を頭に入れておけばやり取りがスムーズに。ぜひご参考にしてください。
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