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【サウナ開業ガイド】ニーズ分析から行政手続き、費用まで徹底解説

【サウナ開業ガイド】ニーズ分析から行政手続き、費用まで徹底解説 Photo by 画像素材:PIXTA

近年、「ととのう」体験が流行した結果、サウナの需要は大きく高まったと言われています。
これを機に、プライベートサウナや女性向けサウナなど、多様化するニーズに応える形でのサウナ開業を検討しているオーナーの方も少なくないのではないでしょうか?

しかし、サウナ開業を成功させるにはさまざまな分析や専門的な知識が必要不可欠です。

そこで、この記事では「サウナ開業」をテーマとして取り上げます。
需要の動向から成功の秘訣、必要な届け出、開業資金についてまで解説しますので、参考にしていただければ幸いです。

サウナ需要が高まっている理由

はじめに、「なぜサウナの需要が高まっているのか?」について解説します。
近年のサウナ人気の背景には、以下のような理由があると考えられています。

  • 健康志向の高まり
  • クローズドカルチャーとしての価値
  • 『サ道』の人気
  • サウナ好き芸能人によるお洒落なイメージの定着

健康志向の高まり

コロナ禍以降、免疫力向上や心身を癒すことに関心を持つ人が増えました。
これにより、汗をたっぷりかくことで体内の老廃物を排出するなどの効果が期待できるサウナに対し「健康的な施設」というポジティブな印象が広まったと言われています。

クローズドカルチャーとしての価値

「ツウな場所」「マイナーなスポット」を好む若者が集う施設、つまりクローズドカルチャーとしての価値が認められたことも理由の一つです。
今のサウナは、Z世代の中でも少数派であることを好む若者たちが、同じような考えの仲間たちと交流する場所にもなっています。

『サ道』の人気

忘れてはいけないのが『サ道』の存在。
漫画家のタナカカツキがサウナについて描いたイラスト付きエッセイが人気を博し、漫画化、テレビドラマ化と一大ブームとなりました。
有名な「ととのう」という言葉はこの作品がきっかけでブレイクしたと言われています。

サウナ好き芸能人によるお洒落なイメージの定着

近年、「サウナ好き」を公言する芸能人が増加しています。
ひと昔前は「おじさんの社交場」というイメージのあったサウナですが、著名人やインフルエンサーが積極的にサウナについて語ったことにより、「サウナ=お洒落」な印象が定着しました。

サウナ開業を成功に導く秘訣

次に、サウナ開業で成功する秘訣について考えていきましょう。
サウナの運営を軌道にのせ、しっかり利益を出すためには以下のポイントが重要です。

  • ターゲットを明確にし、コンセプトを設定する
  • 集客しやすい立地を選ぶ
  • 客単価を上げる工夫をする
  • SNSなどを積極的に利用する

ターゲットを明確にし、コンセプトを設定する

サウナ開業を成功させるために最も大切なのは、ターゲットを明確にし、それに合わせたコンセプトを設定することです。
一言でサウナと言っても、若い男性ビジネスパーソン向けなのか、美容意識の高い女性向けなのか、ファミリー向けなのか……など、ターゲットによってニーズは異なります。
地域のニーズを事前に調査し、「お客さまにどんな体験を提供したいか」「どんなお客さまに来てほしいか」を具体化しましょう。

集客しやすい立地を選ぶ

どんな魅力的な施設でもアクセスが悪ければ客足は遠のきます。
「駅から徒歩で行ける」「近くに大きな商業施設がある」など、お客さまが足を運びやすい立地を選ぶことが大切です。

客単価を上げる工夫をする

オプションサービスを充実させるなど、顧客一人あたりの単価を上げる工夫も重要です。
例えば、特別なアロマ水を使ったロウリュサービスや、こだわりのドリンク・フードメニューを提供することで、顧客満足度と収益性の両方を高めることができます。

SNSなどを積極的に利用する

新規顧客を獲得するために、SNSの活用は不可欠です。
SNSで宣伝してもらいやすい「映えスポット」などを準備することも、現代のサウナ運営には欠かせない工夫です。

サウナ開業に必要な許可申請・行政手続き

【サウナ開業ガイド】ニーズ分析から行政手続き、費用まで徹底解説 Photo by 画像素材:PIXTA

続いて、サウナ開業に必要な行政手続きについて見ていきましょう。

サウナの開業準備を進める上で、法律に関する手続きは避けては通れない重要なポイントです。
特に許認可の取得には時間がかかる場合もあるため、計画的に進めましょう。

サウナ開業には、大きく分けて以下の3つの許可申請・行政手続きが必須です。

  • 保健所への営業許可申請
  • 消防署への届出
  • 税務署への開業届

保健所への営業許可申請

サウナは「公衆浴場法」という法律の対象となるため、保健所から営業許可を得る必要があります。
この許可を得るには、施設の立地や構造、衛生状況などを保健所が審査し、基準を満たしているかどうかを判断します。

内装工事を始める前に必ず管轄の保健所に行き、担当職員に事前相談をしましょう。
工事が進んでからでは修正が困難になるケースもあるため、このステップは極めて重要です。
内装工事の後には、保健所の職員による現地でのチェックが行われ、問題がなければ正式に許可が下ります。手続きを忘れないように注意しましょう。

消防署への届出

火を使用する設備等の設置(変更)届出書」は、管轄の消防署への届け出が必要です。
この届け出は、火を使用する設備を設置する7日前までに行う必要があります。
設置後には、原則として消防署の職員による検査を受ける必要があります。
こちらも忘れずに手続きを進めましょう。

税務署への開業届

事業を始めるにあたって、管轄の税務署に「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」(開業届)を提出する必要があります。

サウナ開業に必要な資格

サウナ開業にあたって、必須となる特別な資格は必要ありません。
しかし、オーナーやスタッフが専門知識を持つことは、お客様へのアピールとなり、店舗の信頼性を高めます。
そのため、以下のような民間資格の取得もおすすめです。

サウナ開業に必要な初期費用

最後に、サウナ開業に必要な初期費用もおさえておきましょう。
サウナは設備が大がかりになるため、他の事業に比べて初期費用は高額になる傾向があります。

初期費用の目安

50坪~100坪程度の一般的なサウナ施設の場合、地域にもよりますが総額で1億円~2億円程度が初期費用の目安と言われています。
事前に詳細な資金計画を立ててから開業準備に入りましょう。

「億単位の費用を捻出するのは難しい」という場合は、トレーラーサウナのような小規模な形態から開業を検討してみるのもおすすめです。

資金調達とコスト削減のコツ

自治体によっては、サウナ開業に補助金や助成金を使える場合もあります。
開業予定の地域で活用できる補助金制度がないか、必ず確認しましょう。

高額なサウナ設備の一部をリース契約にすることで、初期費用を抑えることも有効です。
運営が軌道に乗るまでの資金繰りを考慮し、リースを活用することもぜひ検討してみてください。

サウナ開業でよくある質問(FAQ)

サウナ開業でよくある質問についてまとめました。

Q1:サウナブームは今後も続きますか?将来性はあるのでしょうか?
A:一時期のピークに比べ需要は落ち着いているものの、『ブーム』ではなく『文化』として定着したとも考えられています。
そのため、適切な戦略を立てれば、今後も参入のチャンスは十分あると言えるでしょう。

Q2:プライベートサウナ(個室サウナ)のデザインで重視すべきポイントは?
A:プライベートサウナは、女性やカップルの需要が高い施設です。
そのため、清潔感やラグジュアリー感、女性受けの良いカラーリングを意識しましょう。
SNSで拡散してもらいやすい仕掛けを施すこともおすすめです。


本記事では、サウナ開業を成功させるための秘訣を、市場の動向から具体的な行政手続き、資金計画まで幅広く解説しました。
成功のためには、明確なコンセプト設定と入念な事前準備が不可欠です。
特に、保健所の基準を満たす内装設計や各種申請は専門的な知識が求められます。

保健所の基準をクリアするための内装などに不安がある際は、サウナを手がけたことのある業者に相談してみることもおすすめです。
専門家ならではの視点で、良いアドバイスがもらえますよ。


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