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飲食店の防音対策【開業前に確認すべき条例とは?】

Photo by 画像素材:PIXTA

飲食店の開業後に問題となることが多い「騒音」。アルコールを扱う業態の場合は、酔ったお客様の大声などに悩まされることも少なくありません。飲食店における騒音は、「風営法」や各都道府県の条例などで明確に数値基準を定められているため、状況によっては違反とみなされることもあります。法律に抵触しない場合でも、周囲の住民からクレームが発生するケースも……。


そこで、今回は「飲食店の開業前に考えたい防音対策」をテーマとして取り上げます。風営法と騒音の関係から飲食店で特に意識すべき騒音とは何か、防音対策の基本まで解説しますので、参考にしていただければ幸いです。


飲食店における騒音の規制は?都道府県によっては風営法よりシビア

飲食店における騒音や振動については、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行令」(風営法施行令)の第11条の規定に基づき、各都道府県などの条例で基準が定められています。はじめに、風営法施行令第11条におけるおおよその基準を確認していきましょう。


  • 住居地域:45デシベル(深夜)~55デシベル(昼間)
  • 商業地域:55デシベル(深夜)~65デシベル(昼間)

※詳細は「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行令」を参照


次に、各都道府県等が条例で定める基準の例を見ていきましょう。以下は、東京都の定める「日常生活等に適用する騒音の規制基準」です。


  • 住居地域:40デシベル(深夜)~45デシベル(昼間)
  • 商業地域:50デシベル(深夜)~60デシベル(昼間)

※詳細は東京都環境局「日常生活の騒音・振動の規制」を参照


住居地域では時間帯やエリアごとにさらに細かく分けられていたり、商業地域でも特に賑やかな場所が指定されたりする場合がありますが、おおよその基準は上記の通りです。風営法施行令と比較すると、東京都の基準はより厳しく設定されていることが分かります。このような基準をクリアするには、開業前にしっかりとした防音対策が不可欠です。


飲食店の開業時に意識すべき騒音とは?

ところで、飲食店で意識しなければいけない「騒音」にはどのようなものがあるのでしょうか。飲食店営業時に問題となりやすい騒音の例を以下にまとめました。


  • お店の出入口でのおしゃべり
  • テラス席で騒ぐお客さまの声
  • カラオケの音
  • お客さま同士のおしゃべり(特にアルコールが入った場合)
  • お店のBGM

特にテラス席やお店の出入口でのお喋りは、ことのほか近隣住民の方とのトラブルになりやすいようです。また、カラオケ機材を導入しているお店は、歌声なども騒音になることがあります。


アルコールを提供するお店では、酔ったお客さまの声や振る舞いにも注意が必要です。グループで来店するお客さまの場合、気分が高揚してハメをはずしてしまうケースもあるでしょう。酔客による騒音は、近隣住民の方のみならず同じお店で飲食を楽しむ他のお客さまにも迷惑をかける可能性があるため配慮が求められます。


飲食店で防音対策を行うメリット・デメリット

Photo by 画像素材:PIXTA

続いて、飲食店が防音対策を行うメリット・デメリットについても確認しましょう。


メリット


店舗が防音対策に力を入れるメリットには、法を守るという以外に次のようなものがあります。


  • 近隣住民との良好な関係を維持できる
  • 店舗の外からの騒音を防ぐことができる

最も大きなメリットは、近隣住民から良い印象を持ってもらえるということです。近隣にお住まいの方はお客さまとして来店してくれる可能性も高いため、なるべく良い関係を築いておくべきでしょう。「あのお店は繁盛しているけれど、いつも静かで品がいい」と思ってもらえればお店のイメージアップに繋がります。また、しっかり防音対策を施しておけば、店舗の外でなんらかのイベントや工事がありうるさくなった時でも店内は静かな空間を保てるでしょう。


デメリット


飲食店が防音対策を行うことについては、残念ながら以下のようなデメリットもあります。


  • 防音対策を施すための工事にまとまった費用がかかる
  • 防音設備のメンテナンスのため、定期的に費用がかかる

デメリットは、主に費用面での問題です。防音工事にはまとまったお金がかかりますし、整えた防音設備には定期的なメンテナンスが欠かせません。防音対策を行う前には、しっかり予算を確保する必要があるでしょう。


飲食店で防音工事を行う方法

最後に、飲食店で防音工事を行う方法について見ていきましょう。工事業者とは、具体的に次のようなことを話し合うと良いでしょう。


  • 周辺の騒音レベルはどれくらいか
  • どんな目的で防音対策を行うのか
  • どんな材料を使って防音工事を行うか

「フロアの話し声が周辺住民の迷惑にならないようにしたい」「静かで落ち着ける個室を増やしたい」など、目的によってとるべき防音対策はやや異なります。どんな目的で工事をするのか、事前に業者と考えを共有しておきましょう。


また、「遮音シート」や「グラスウールスポンジ素材」など、防音工事に使われる素材はさまざまです。それぞれの特性をふまえ、どんな材料を使って工事を行うかも話し合う必要があります。


防音対策には専門知識が必要不可欠です。ぜひ、防音工事の施工実績豊富な業者を選び、相談してみましょう。




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