内見ではここを確認!内装工事費にも大きくかかわる物件の見極め方
2017-05-25
Photo by iStock.com/sharaku1216
内装工事とその費用は、出店時の最大の関心事。
良い条件の物件が出てきても内装工事に費用がかかりすぎては、その後の運営に支障をきたしかねません。
居抜きかスケルトンか、状態に関わらず物件の設備状況を確認しておくことは、内装の設計・施工をするうえでもとても重要です。
そこで今回は、店舗物件を内見する際に確認しておくべきポイントをご紹介します!
目次
■物件内見時に確認するべきポイント■居抜きとスケルトン、どちらがお得?
物件内見時に確認するべきポイント
●電気・ガス・水道は通っているか
事務所として使われていたためガスが通っていない、元は駐車場だったため水道が通っていないといった物件が多くあります。電気やガス、水道の引き込み工事から必要となると、工期や費用の上乗せは避けられません。大家側が工事を行うことも多いですが、元々の用途を変更して使用する場合など、出店者側が工事費用を負担しなければならないこともあります。
専門的な部分については、デザイン会社に一緒に物件を確認してもらえるか、相談してみるのも良いでしょう。
●電気・ガスの容量は充分か
電気・ガスが引き込まれていても、容量が不足している場合は追加工事が必要になります。店舗で使用する設備等を考慮して、容量が現在のままで足りるか確認しましょう。●水回りは使える状態か
給排水が整備されているかは、内装工事において費用面でもデザイン面でも重要なポイントです。排水管を一から敷設する必要があれば、床上げなど付随する工事も増えていきます。また、こちらも電気やガスと同様、容量が不足していないかを確認しておきましょう。物件にトイレがあるときは、使える状態かどうかもチェックしましょう。古い物件は、便器が和式だったり交換が必要だったりすることもありますので注意が必要です。
飲食店の場合は、グリーストラップの有無や防水区画についても確認しておきましょう。
●空調機器は設置されているか
業務用の空調機器は高額ではありますが、妥協ができない部分です。既に設置されていても、レイアウトによって死角になる場所や効きが悪くなりそうな場所がないか、チェックしておきましょう。●ダクトは適切な場所にあるか
ダクトと聞いてすぐに思い浮かぶのは厨房排気用の設備かもしれませんが、空調や換気用のダクトもありますので、飲食店に限らずダクトの有無と位置はチェックしておくべきです。なかでも飲食店の場合は、客席や近隣への影響によりクレームに発展する事例も多い設備ですので、特に気をつけて確認しましょう。
●デッドスペースが発生しないか
物件の形状や、梁や柱の位置によっては、どんなにレイアウトを工夫しても店内にデッドスペースができてしまうことがあります。飲食店の場合は厨房と客席、物販店の場合は陳列スペースと倉庫など、効率よく動ける配置をするためには、物件内に使えないスペースをできるだけ発生させないことが大切です。広すぎても狭すぎても使い勝手が悪く、運営に支障がでる可能性もあります。物件の内見時には、ある程度の店舗レイアウトのイメージを持っておくと良いでしょう。可能であれば、デザイン会社にも物件を確認してもらうと安心です。
●看板を出せるか
看板やファサードは集客の重要なツール。しかし、物件によっては設置できる箇所に制限があることも。看板の設置箇所だけでなく、店舗の入口や前面道路のどこまでが使用可能な範囲なのかを事前に確認しておきましょう。Photo by iStock.com/key05
居抜きとスケルトン、どちらがお得?
希望者が多い居抜き物件。一から施工を行うよりも、お得なイメージがあります。実際に、同業態での出店で内外装や厨房機器・什器類などの設備をそのまま使うことができれば、低コストで出店することができます。
ただし、一概に「居抜き物件だから内装工事費用を抑えられる」とは限りません。
たとえば、店舗イメージを比較的簡単に変えたいとします。方法としては、古くなった壁紙や看板を新しくしたり照明の雰囲気を変えたりといった工事が考えられますが、施工内容にはよるものの100万円単位で費用がかかることも珍しくありません。
また、店内に不要なカウンターや棚などの造作があれば解体・撤去費用がかかりますし、不要な厨房機器を買取に出しても、製造年数が古い機器であれば逆に廃棄費用がかかることもあります。
居抜きやスケルトンなどの状態にとらわれすぎず、店舗イメージを実現できる物件なのか、多角的な視点をもって冷静に判断することが大切です。
参考:
デザイナーの流儀―解体工事の費用は坪単価でいくらぐらい?
デザイナーの流儀―居抜きで飲食店を出店するメリットとデメリットは?
内装工事費を抑えるためにも重要な、店舗物件を内見する際のポイントについてご紹介してきました。
物件の選び方によっては、デザインの自由度が狭まったり開店後の営業がスムーズにいかなかったりするかもしれません。ご紹介したポイントを参考に、焦らず納得のいく物件を見つけてください。
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