1. トップ
  2. デザイナーの流儀
  3. 技術的なことは書籍やネットで簡単に調べら・・・
デザイナーの流儀 〜店舗デザインのプロに聞きました〜
  • 匿名さん 2018/7/2投稿

    流儀

    技術的なことは書籍やネットで簡単に調べられるので割愛させて頂きます。
    「意匠」としてのデザインであれば、セット面に座った時など、目に入りやすい壁面は出来るだけ素材感の高い仕上げ(タイルや木材など)や、若しくは塗装など、シンプルなものが今の時代にあっていると感じます。各メーカーの努力もあって、壁紙の印刷技術も素晴らしいですが、やはり間近で見るとフェイクだとわかってしまいます。サロンに「特別感」や「非日常感」を求めるお客さんであれば、残念な思いをさせてしまうと考えます。使用されるなら、素材感の高いものとのミックス使い、またはお客さんの目から遠い場所(レセプションカウンターの壁面などなど)に使うことをお勧めします。また、日常の汚れがつきやすい部分でもあるので、汚れに強い、若しくは清掃性の高い物を選んで下さい。床材も基本的には同様ですが、こちらはより耐久性や耐薬品性重視する方が良いかと思われます。壁紙ほど目線に近くありませんので、塩ビタイルや長尺シートなどの素材でも十分魅力的に見せることが出来ます。
    店内の造作はオーナー様ならではのサロンを作る上での顔となる部分ですので、提供したいサロンとしての雰囲気(サービスだけで無く流したいBGM、香り、ワックスなど置きたい商材、来店者のファッションなど含め)や、ご自身の趣味を総合的に掛け合わせると、オリジナル感のある雰囲気作りが出来ると考えます。ご自身が「どんなデザインが好きなのか?」それの「どういった所」に魅力を感じるのか、「上記の雰囲気作りに合うのか」など、意識しつつ設計者との打合せを楽しんで進められると良いと思います。
    照明はある意味仕上げの素材選びより大事かと思います。グレア(視界に入り込む不快な光)が発生しないように気を付けつつ、施術する美容師さんの手元の視認性だけで無く、必ず利用客の顔に不自然な影が出来ないよう鏡に映るように光を作って下さい。カットをする手元は視認性の高い白色系の光、鏡に映るお客さんの顔は血行がよく見える電球色系の光を当て込むなど、照明による光の色もミックスして使うと良いと思います。自然光が入る場所であれば、西日などは暑いだけでなく、顔に影が強く出やすくなりますので、レイアウトの際にお気を付け下さい。
    その他、空調の風はカタログスペックだけでは無く、直接人に当たらないようにするなど、体感的な面にもお気を付け下さい。また、シャンプー台の位置は出来るだけ区画の給排水の元の近くに設置すると、コストが落としやすく、また機能面でも不必要に床に段差が生まれにくくなるのでお勧めです。ただ、これは一般論ですので、現場の既存状況(移動できない壁、自然光の入り方など)によってはケースバイケースです。信頼出来る設計者、工事会社様と十分に相談をしつつ進めていければ良いかと思います。設計者は空間作りのプロですので、上記のメモを最低限意識して、任せて見て良いと思います。ただ、ご自身で必ず図面(またはスケッチなど)を必ず確認し、完成イメージを持った上で打合せに臨んで下さい。
    ご自身のお店を作るのは大変ですが、同時に思い描いたイメージを具現化出来る機会でもあります。良いサロンが出来るよう、楽しんで計画に臨める事を願ってます。

他の回答も見る