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デザイナーの流儀 〜店舗デザインのプロに聞きました〜
  • 合田吉裕 (デザイン・設計・プランニング) 2018-01-15 09:08:24.0投稿

    流儀

    照度に関しては既出のコメントで十分かと思いますので、バーにおける照明設計の理論を少しお話しさせてください。

    BARの照明設計はデザイナーとしての力量を要求されます。
    照明メーカーに依頼すると照度やルクス数はしっかりと計算してくれますがこれが間違いの始まりです。
    酒類を摂取すると人間の視覚は敏感になる人、鈍る人、様々です。
    器具の性能や灯数、照度など一応の指標にはなりますが、跳ね返りや邪魔な光、そして影は
    設計図面上だけでは計算できません。
    ゲストの年齢やどのような客層をターゲットとするか、中心となる酒類の価格構成、そして客単価。
    業態として、店主であるバーテンダーの感覚と一致させなければ理想の照明計画は完成しません。

    これらのシーンが想像できなければ、なんちゃってバーにしかならないと思います。

    バーの照明設計は本当に難しく図面上のみならず、最終的に「現場合わせ」が理想です。

    引渡し後に照明設計のみ依頼されるケースは今までにも多々ありました。
    素人デザイナーの照明設計に呆れることもしばしばあるのも事実です。

    正解があるとしたら「カッコいい」のお客さんからの評価のみです。
    そして、無垢板やグラス、酒類、花、全体の装飾を効果的かつ幻想的に表現できたら
    『やはりココは違う』の評価とリピートを頂けます。

    照明設計のみならず、バーのデザインはつくり手であるデザイナーが『呑み手』及び
    バーテンダーを経験したという『売り手』を数多く経験した人に正義があるように思えます。

    そして、本音を言えば一番の理想は『現実からの逃避』を感じるロウソクの光。
    どんな高級なシャンデリアや照明器具にも勝る原始的かつ自然な光の演出であると思います。

    バーのみならず今の時代、酒類を提供する施設設計にあたって照明設計は経験豊富かつ
    センスを持ったデザイナーに依頼することが望ましいでしょう。
    怒られるかもしれませんが、『シラフ』で昼間に設計しても良い光は完成しません。
    どんなに御託並べても下手は下手。理論で解決できないのが照明設計です。

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